YouTubeは中国でも多くのネチズンに支持されているが、そのYouTubeを模倣したサイトが現れた。ポータルサイトやダウンロードサイトを運営する千橡互動(Oak Pacific Interactive)がリリースしたUUmeだ。以前紹介した迅雷は「オンラインで映像が楽しめる」ものであったが、今回紹介するUUmeはYouTubeのデザインをかなり意識したものであり、千橡互動CEOの劉健氏自身も「UUmeを中国のYouTubeにする」とコメントしている。
インターフェースからYouTubeと酷似しているので、漢字の読める日本人のYouTube利用者なら違和感無く利用することができるだろう。例えば右上の検索ウィンドウで「日本」といれて検索すると日本と名のついたコンテンツが出てくる。今のところ利用者は中国人が大多数を占めるため、中国語簡体字のタイトルのコンテンツがほぼ全てとなっている。
中国のウェブサービスを振り返ってみると、Googleの中国版として百度(バイドゥ)が、Wikipediaの中国語版として百度百科が、チャットソフトで一時は一斉を風靡したICQの中国語版としてQQがそれぞれ台頭した。いずれも中国人の好みを理解し、中国人向けに最適化されたコンテンツサービスゆえに人気が出た。それを考えればUUmeも人気の動画共有サービスのサイトに酷似しているゆえに、コンテンツ次第で中国ではYouTubeを越える人気を得る可能性はある。
GoogleやWikipediaが規制されて百度や百度百科にネチズンが向かったように、将来的には中国からYouTubeがアクセス禁止となって、コンテンツの検閲を受けたUUmeに同じようにネチズンが向かうと思うのはうがった見方だろうか。現在のところ中国からYouTubeにアクセスでき、YouTubeではGoogleなどで検閲対象となるような単語をキーワードとした映像コンテンツが容易に見れてしまうのだから。
中国メディアによるとYouTube人気にあやかった動画共有サイトは、UUmeや迅雷だけでなく現在中国国内で既に100以上あるという。YouTubeが人気になってそう時間が経っていないため、動画共有を謳った中国サイトもみな駆け出しの状態だ。どの動画共有サイトが中国で天下をとるか、それはどういったサービス、デザインが中国人のネチズンの琴線に触れるのかを意味するといえる。
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