ダイハツ、新社長にトヨタ中南米本部長の井上氏--星加副社長を除き取締役一新、3月から

 トヨタ自動車と傘下のダイハツ工業は2月13日、3月1日付のダイハツ工業の取締役人事を発表した。

 代表取締役会長を務める松林淳氏、代表取締役社長を務める奥平総一郎氏、非常勤の取締役を務める山本正裕氏は退任する。また、取締役・役員 営業CS本部本部長を務める武田裕介氏、取締役・役員 コーポレート統括本部本部長を務める枝元俊典氏は、取締役を退任。それぞれ役員 営業CS本部本部長、役員 コーポレート統括本部本部長となる。

(左から)トヨタ自動車 代表取締役社長 佐藤恒治氏、トヨタ自動車 中南米本部(本部長)、アルゼンチントヨタ、ブラジルトヨタ、ベネズエラトヨタ 井上雅宏氏
(左から)トヨタ自動車 代表取締役社長 佐藤恒治氏、トヨタ自動車 中南米本部(本部長)、アルゼンチントヨタ、ブラジルトヨタ、ベネズエラトヨタ 井上雅宏氏
  1. 星加副社長を除き取締役一新
  2. トヨタ佐藤社長「原点に立ち戻り、会社を作り替える覚悟」--今後は現場重視で
  3. CJPTも脱退

星加副社長を除き取締役一新

 3月1日以降の代表取締役社長は、現トヨタ自動車 中南米本部(本部長)、アルゼンチントヨタ、ブラジルトヨタ、ベネズエラトヨタの井上雅宏氏が就任する。

3月1日にダイハツ工業 代表取締役社長に就任する井上雅宏氏
3月1日にダイハツ工業 代表取締役社長に就任する井上雅宏氏

 加えて、代表取締役副社長には現トヨタ自動車 Lexus International Co. レクサス電動化推進PJT担当(Chief Project Leader)、トヨタ自動車九州 取締役副社長を務める桑田正規氏が、取締役(非常勤)には現トヨタ自動車 カスタマーファースト推進本部 副本部長の柳景子氏が就任する。現在代表取締役副社長を務める星加宏昌氏を除き、取締役が一新することとなった。

ダイハツ工業の3月1日以降の取締役人事 ダイハツ工業の3月1日以降の取締役人事
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トヨタ佐藤社長「原点に立ち戻り、会社を作り替える覚悟」--今後は現場重視で

 トヨタ自動車 代表取締役社長を務める佐藤恒治氏は、「ダイハツはトヨタとともに、安全・安心を第一に置いたクルマ作りを徹底する。『風土改革』『経営改革』『モノ作り・コト作り改革』の3つの誓いに基づき、再発防止に取り組む。良品廉価なクルマ作りは、本来のダイハツの強み。その原点に立ち戻り、会社を作り替える覚悟で、ダイハツらしさを取り戻したい。(将来的には)ダイハツの事業領域を軽自動車に軸を置いた会社とし、海外事業は企画・開発・生産をトヨタからの委託に変更する方向で、詳細な検討を進める。将来的には小型車を中心にラストワンマイルまで視野に入れたモビリティカンパニーという役割を担えるよう、あるべき姿を検討していく」と話した。

 また、井上氏を新任した理由として、「再発防止を実行するためには、根底にある風土改革に長期視点で手を入れる必要がある。現場でそれぞれの人が思ったことをしっかりと話し、会話をしながら、ダイハツらしさを取り戻す。井上氏は、新興国を中心に言葉の壁を乗り越えながら、厳しい事業環境の中でコミュニケーションを大切にして取り組んできたリーダー。現場で対話をしながら、従業員全員と一緒になって、ダイハツの向かうべき方向に取り組んでくれる」(佐藤氏)とし、井上氏を含めた新経営陣は“現場に主権を戻す”という観点から選出したと話した。

 井上氏は、「章男さん(現トヨタ自動車 代表取締役会長 豊田章男氏が社長を務めていた)の時代から、地域経営、商品経営という2軸で経営を進めてきた。ほぼ毎週、地域CEOとトップが集まり、今起こっていること、将来起こりそうなことの会話を続けており、毎週30分ほど必ず何かしら会話している。リスペクトしながら言いたいことを言い、現場で起こっていることを伝え、経営判断の情報とする。立場が変わっても平時の密なコミュニケーションを大切にし、有事に備えたい」と語った。

 ダイハツは2023年4月以降、さまざまな不正行為が発覚。2023年12月20日には国内外で生産中の全てのダイハツ開発車種の出荷を一旦停止するとしていたが、2024年2月12日から一部車両の生産、出荷を再開していた。

CJPTも脱退

 また、ダイハツは2月13日、CASEの社会実装・普及に向けたスピードを加速し、輸送業が抱える課題の解決・カーボンニュートラル社会の実現への貢献を目指して2021年4月に立ち上げられた「Commercial Japan Partnership Technologies(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ、CJPT)株式会社」から脱退したことも発表した。出資していた10%の株式はトヨタに譲渡する。資本構成はトヨタ70%、いすゞ自動車10%、日野自動車10%、スズキ10%となる。

プレスリリース(新体制)
プレスリリース(CJPTからの脱退)

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