よく知られた技術の新たな活用方法のおかげで、透視能力はもうスーパーヒーローだけのものではなくなったのかもしれない。
拡張現実(AR)と言えば、普通は肉眼で見える世界に仮想コンテンツを重ねて表示するものだが、マサチューセッツ工科大学(MIT)とミシガン大学の研究者らはARを利用して、「X-AR」と呼ばれる一種の「透視能力」で、障害物の向こうが見えるようにしようとしている。
X-ARは、フレキシブルアンテナを搭載し、「HoloLens」に「第六感」のようなものを加えて、装着者の視線上にない物体を見つけられるようにする。ただし、幅広く利用されているRFIDタグがその物体に付けられていて、装着者から約4.6mの範囲内になければならない。
このシステムの試作品は、「Microsoft HoloLens」のアドオンとして開発されているが、研究チームによると、ゆくゆくは他のARヘッドセットでも利用できるようになるかもしれないという。
研究チームは、求める物体の方へ着用者を誘導し、HoloLens内蔵のハンドトラッキング機能を利用して、正しい物体を手に取れたかどうかを通知する独自のHoloLensアプリを開発した。
この技術の用途として今のところ考えられるのは、倉庫や配送、小売など、RFIDタグが普通に使われている場での利用だ。だが、研究者によると、こうした技術は、食品が食べても安全かどうかの判断や、災害時の捜索救助活動の支援などにも幅広く活用できる可能性があるという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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