TikTokの最高経営責任者(CEO)である周受資氏が事前に用意し、米下院エネルギー・商業委員会に提出した証言書を、同委員会が米国時間3月22日に公開した。この中で周氏は、同社が米国のユーザーのデータを保護し、TikTokを利用する大勢の米国人の安全を保つことができると述べ、この点について米議会の納得を得たい構えだ。
周氏はTikTokのプライバシーおよびデータセキュリティ慣行について、23日に同委員会で証言する予定だ。米国の議員はTikTokに厳しい目を向けており、米国での同アプリの使用が禁止される可能性もある。3月に入り、Joe Biden政権は、親会社の中国企業、字節跳動(バイトダンス)にTikTokの米国事業を売却するよう強く求めている。
米国の政府当局は、米国のユーザーのデータが中国政府に渡されたり、米国の世論に影響を与えようとする意図のもと、中国政府がTikTokにどのようなコンテンツが掲載されるべきかを指示したりしているのではないかという点を懸念している。
一方の周氏は公聴会で、バイトダンスは中国の手先ではなく、ユーザーデータへの無許可のアクセスを許さないグローバル企業だと主張する予定だ。
事前に用意された証言書によると、「TikTokは米国のユーザーの情報を中国政府と共有したことも、共有を求められたこともない。万が一そのような要請があった場合も要請に応じない」と周氏は主張するつもりのようだ。
周氏はまた、TikTokの利用禁止に代わり、米当局の懸念に対応できる代替案があると主張する予定だ。その中心になるのは、15億ドル(約1970億円)を投じたデータの保護に関する取り組みで、TikTokはこれを「Project Texas」と名付けている。
「Project Texasのもとで、当社はすべての米国人のデータを、米国に本社を置く企業によってホストし、米国内に保存することを約束する」と、周氏は議員らに伝える予定だ。このデータへのアクセスを管理するのは、TikTokの子会社TikTok U.S. Data Security(USDS)だという。
周氏はこれに加えて、アプリを利用する未成年者の保護に関する、同プラットフォームの取り組みについても説明する予定だ。これには、16歳未満のユーザーが登録したTikTokアカウントを対象に、ダイレクトメッセージの送信ができないようにしたり、自動的に非公開アカウントに設定したりする措置も含まれている。
「このような対策は、どの同業他社の取り組みよりもはるかに先行している」と、周氏は証言書に記している。
Chew氏は21日、TikTokユーザーに直接支持を訴える動画を投稿し、米国には1億5000万人のユーザーがいることを明らかにした。周氏はこの動画の中で、「一部の政治家がTikTokの利用禁止を議論し始めている」と述べ、そうなれば「あなたを含む1億5000万人全員がTikTokを取り上げられる」ことになると訴えた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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