ニチリウ永瀬は6月27日、九州大学(九州大学大学院農学研究院)と誰もが農業に参入しやすくなる未来を見据え、スマート農業の共同研究を開始すると発表した。
現在、日本の食を支える農業経営体の数は、2020年の調査では約107万件で、2015年の調査から30万件ほど減少しているという。
加えて、少子高齢化や都市部への人口集中の影響で農業の担い手が育たず、新規就農者の約4割は5年以内に離農。このままでは、長年培われた生産技術が途絶え、安定的な食糧の確保が難しくなってしまう状況にある。
こうした課題を解決するためには、労働力を軽減しながら安定的に収穫し、一定価格で市場へ供給できる営農環境が必要不可欠であることから、両者は誰もが農業に参入しやすくなる未来を見据え、「キュウリの自動栽培システム」の開発に着手した。
同システムは、AIがキュウリの収穫量を減少させる要因を早期に特定し、自動で空調管理、施肥、水やりを行うシステム。現在普及しているビニールハウスに低コストで設置でき、収穫量を現在の平均反収より倍増(50t/10a以上)させることを目標としている。
共同研究の実施場所は、九州大学農学部附属農場および、同社の研究農場。令和5年度にはAIへのラーニングを開始し、自社システムの開発に着手するという。
なお、同システムは今後、施設栽培の野菜全般(ナス、ピーマン、メロン、イチゴなど)に活用していく予定だという。
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