BMW、すべての自動車工場を3Dスキャンしてデータ化--デジタルツイン活用で生産効率を向上

　BMWは、世界各地にあるBMWグループの全自動車工場を3Dスキャンしてデジタルデータ化すると発表した。工場のデジタルツインを利用することで、生産計画が立てやすくなり、生産効率を向上できると見込む。

すべての自動車工場を3Dスキャンしてデジタルデータ化（出典：BMW）

　BMWは、デジタル化やデジタルトランスフォーメーション（DX）を通じて生産計画に活用する戦略的な取り組み「BMW iFACTORY」を推進中。その中核となるものが、工場のデジタルツイン版である「バーチャル工場」だ。

生産計画の検討にデジタルツインを活用（出典：BMW）

　スキャンは、可搬型3Dレーザースキャナーやドローンを用い、工場の内部と外観だけでなく、敷地の全領域で実施する。2023年の早い時期に、すべての作業を終える計画。

　スキャンの作業は、ドイツ企業NavVisの協力を得て実施している。また、バーチャル工場の作成には、NVIDIAのメタバース開発ツール「Omniverse」を利用する。

NavVisのシステムでスキャン（出典：BMW）

　なお、2020年11月からこれまでにスキャンできた面積は、工場内が約400万平方m、工場外の敷地が約900万平方m。このデータから作ったデジタルツインは、すでにウェブベースの閲覧ソフト「BMW Factory Viewer」で参照でき、生産計画を検討する際に利用されている。