グーグルが製品ラインアップを拡充--デバイスの自動連携で操作不要の未来を目指す - (page 2)

Lisa Eadicicco (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年05月18日 07時30分

 Osterloh氏は、Googleのさまざまなハードウェアを発表した後、同社の製品同士が連携する未来のビジョンについて語った。そして、鍵をかけるタイミングを自ら判断できる玄関ドア、お菓子を取りに行くためにソファーを離れると自動的に一時停止するテレビ、かかってきた電話をスマートフォンやイヤホン、スマートウォッチに転送するかどうかを判断できるデバイスがある世界を想像してみてほしい、と観衆に話した。Googleはそうした世界をまだ実現できてはいないが、その目標に向かって進んでいることは明白だ。例えば、同社はスマートディスプレイの「Google Nest Hub Max」で、起動フレーズを言わなくてもGoogleアシスタントを呼び出せる新機能を発表している。

 「これらすべてのガジェットが連携して機能することで、アンビエントコンピューティングのビジョンを実現し、必要な場所で必要な支援を人々に提供する」(Osterloh氏)

 このアイデア自体は、目新しくもないし、画期的でもない。Appleのハードウェアビジネスを長年推進してきた前提と全く同じだ。Amazonも、同社の「Echo」スピーカー、「eero」Wi-Fiシステム、「Ring」ドアベルが連携することで威力を発揮する、独自のハードウェアエコシステムを構築してきた。しかし、そのことは筆者の主張をさらに補強するにすぎない。つまり、人間による操作をほとんど必要としないテクノロジーを実現しようとすると、多くの場合、よりたくさんのガジェットに投資する必要がある。

 Googleは、2014年にNestを買収して、2016年に最初のGoogle Pixelスマートフォンを発売し、2021年にFitbitを買収するなど、何年も前からこのビジョンを実現する準備を進めている。2022年のI/Oでも、それらのピースが拡充され、Fitbitと緊密に統合されたGoogle初のスマートウォッチが発表された。

 ハードウェアのラインアップを拡充するという同社の決定も、長期にわたって顧客を獲得するには、優れたスマートフォンをリリースするだけでは足りないということを示唆している。Appleが教えてくれたように、あるブランドのデバイスファミリーに投資すればするほど、そこから離れるのは難しくなる。サムスンもAppleのアプローチに倣い、ここ数年で、「Galaxy」シリーズのスマートウォッチやイヤホン、スマートフォン、タブレットをリリースしている。I/Oでは、Googleも同様のアプローチをとっていることが、これまで以上に明白になった。

 しかし、Googleには、別の問題もある。Androidを提供する同社は、Google PixelやGoogle Nest限定の独自テクノロジーの開発と、サムスンやMotorola、OnePlusのデバイスに搭載される、より一般的なAndroidの開発のバランスをとる必要がある。長い間、消費者向けテクノロジー市場におけるGoogleの最も重要な影響力は、Androidの開発元としての役割だった。それは今でも変わらないかもしれないが、同社は現在、自社のデバイスによって、そうした流れを変える動きを加速させている。

 デバイスをユーザー体験から実質的に消滅させるという使命において、Googleはハードウェアの真の重要性を私たちに示してきた。これらのデバイスが最終的にGoogleの約束通りに機能するようになるかどうかは、今後明らかになるだろう。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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