Sansanは4月22日、同社が展開している名刺アプリ「Eight」について、ビジネスパーソンのキャリア自律に向けて後押しする、キャリアプロフィールアプリへと転換することを発表。サービスタグラインを「名刺でつながる、ビジネスのためのSNS」から、「名刺管理に、転職に」へと刷新し、名刺管理だけでなくキャリアアップやキャリアチェンジに活用できることを訴求していくという。
新機能として、キャリアタブを搭載。これにより自分磨きに役立つ情報や、知らなかった企業の情報、求人情報を収集することができる。これらの情報は職種ごとに表示されるが、実装時には営業に関わる情報が掲載。今後新たな職種を順次追加していく。このキャリアタブは「スキルレポート」「企業レポート」「求人情報」「オンラインイベント」で構成されている。
スキルレポートでは、キャリアアップに役立つスキルをレポート記事として紹介。動画も用意され、全編の視聴が可能となっている。企業レポートでは、Eightによる企業インタビューのレポートと動画を掲載。気になる企業の動画を視聴すると、その企業をフォローすることができるため、Eight内で関連するニュースや近況情報などの情報収集が可能となる。
求人情報としては、プロフェッショナル転職メディア「Eight Career Design」を利用している企業の求人情報を、ユーザーの属性に合わせて表示。レポートやイベントを通じて興味を持った企業に、直接応募することが可能となる。
リアルタイムで参加できる、スキルアップやキャリアアップに役立つオンラインイベントの企画・開催を予定。主催者とオンライン名刺交換をすることで視聴可能となっており、イベントには開催10分前から参加申し込みが可能。フォームに入力することなく簡単に参加できるという。
名刺情報の管理や検索ができるという、名刺アプリとしての機能も継続。ユーザー自身の名刺を登録することで、正確な所属や肩書きなどを蓄積することができ、キャリアサマリーや職歴、学歴、スキルタグを登録することで、自身のキャリアプロフィールを作ることが可能。異動・昇格・転職などの際に更新することで、キャリア形成のあゆみを記録していくことができる。ほか、Eightでつながった相手が名刺を変更した場合に通知が届く近況情報の提供や、ユーザーの転職意向度に沿って企業案内やスカウトが届く機能も搭載する。
今後のアップデートについては、名刺がなくてもEightに新規登録ができる機能を開発中。また、企業のファン作りや人材と企業のマッチングを後押しするため、Eight内でユーザーと企業が双方向でコミュニケーションを取ることができる機能も開発中としており、いずれも今夏中の実装を目指しているという。
説明会で登壇したSansan 取締役 執行役員 Eight事業部 事業部長 塩見賢治氏は、Eightの転換における背景として、ビジネスパーソンを取り巻く環境が大きく変化していることを挙げる。昨今のビジネスパーソンにおけるキャリア形成については、終身雇用の考えが徐々に薄らぐなかで、企業に委ねるのではなく自らが主導しキャリア開発していく「キャリア自律」が注目を集めているという。さらにジョブ型雇用を導入する企業も増加していることから、今の時代に必要な知識やスキルを持つことも求められている状況もある。
一方で、経団連が行なった調査によれば、社員が自律的にキャリアを形成しているのは2割ほどにとどまっているという。この状況を踏まえ、Eightはこうした世の中の変化にともなって浮き彫りになった課題を解決するべく、ビジネスパーソンの自律性を重視したキャリア形成にフォーカスを当てたものとして機能強化を図ると説明。これまで名刺管理を通じて提供してきた価値に加え、新たにキャリアに対してもビジネスパーソンを後押しする存在としていきたいと語った。
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