自動車は、ここ数年でますますスマートフォンのような存在になってきた。移動手段であるだけでなく、デジタルサービスの新たなインターフェースとして、コミュニケーションやエンターテインメント、コマースなどで使えるツールになっている。こうした機能を支える技術がQualcomm Technologiesなどのモバイルデバイスを手がける企業から生まれるのも驚くことではない。
Qualcommのチップは膨大な数のスマートフォンに搭載されている。さらに同社は、自動車事業にも有望な機会を見出している。同社は欧州で現地時間4月14日、大手自動車メーカーとして新たにStellantisが「Snapdragon Digital Chassis」を採用すると発表した。これはテレマティクス、接続性、デジタルコックピット、先進運転支援システム(ADAS)といった機能を提供するクラウドコネクテッドプラットフォームだ。2024年より、「Chrysler」「Dodge」「Fiat」「Jeep」「Maserati」などStellantisの14ブランドで、よりインテリジェントで没入感のあるエクスペリエンスを実現する。
Stellantisの最高経営責任者(CEO)Carlos Tavares氏は、「これにより、安全でパーソナライズされ、常時接続された機能を通じて、いずれ顧客のライフスタイルのニーズに、より適切に応えられるようになる」と述べている。
今回の提携で特に目を引くのは、Stellantisが車載通信インフォテインメントシステムとして「Snapdragon Cockpit Platforms」を採用することだ。Stellantisは、Amazonや鴻海科技集団(Foxconn)と共同で「STLA SmartCockpit」を開発中だ。Qualcommの製品を採用する最初のシステムは、Maseratiブランドの車に搭載される。
Qualcommは、直近の四半期決算発表で107億ドルの売上高を計上し、自動車関連の売上高は2億5600万ドルにとどまるものの、前年比では21%増だった。大手自動車メーカーとしては、General Motors(GM)、BMW、Renault Groupも顧客だ。
QualcommのCEOであるCristiano Amon氏は自動車向け事業について、2月のカンファレンスコールで次のように述べている。「プラットフォーム方式を実際に採用し、モバイルでの経験をある程度活かせる。技術を利用して、自動車のあらゆる層で規模を拡大縮小できる。これはなかなかの事だ。これからADASの設計をもっと採用され、Snapdragon Digital Chassisが主要プラットフォームとして認められる最初のステップにすぎないと考えている」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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