ロシアによるウクライナ侵攻で影響を受けるウクライナ国民が増え続ける中、一部の米企業は、戦禍に苦しむ人々を既成概念にとらわれない発想で支援しようとしている。金銭的な貢献をする、ロシアとの経済的関係を停止するといったことのほかに、無料の避難所やサービスを提供している企業もある。
民泊大手Airbnbのユーザーらもまた、独創性を発揮している。多くのゲスト登録者が、ウクライナで支援を必要としている住民に素早く送金する手段として、実際には訪れる予定のないウクライナでの宿泊先を予約しているのだ。
英国でイベントプランナーとして働くMario DiMaggioさんは現地時間3月3日、キエフにあるAirbnbの物件を夫妻で1週間予約したとツイートした。「単に、キエフに住む人たちに直接お金を渡す手段として」予約したとしている。
DiMaggioさんはホストとのやり取りの中で、次のように書いた。「もちろん、私たちが現地を訪れる予定はありません」「これはただ、あなたがいくらかのお金を受け取れるようにするためです。あなたとキエフの人たちを支援するために、私たちにもっと何かできることがあればいいのですが」
別のTwitterユーザーも、ウクライナにある物件を予約だけするというアイデアを共有し、「大きな被害を受けた地域の人たちに迅速に金銭的支援をする手段として、24時間で数百人がウクライナのAirbnbを予約している」と書き込んだ。
Airbnbのサイトを見ると、ウクライナ全域にホスト物件は300件以上ある。その大多数は首都キエフにあり、西部のリヴィウや南部のオデッサにもある。物件のほぼすべてが1泊50ドル(約5800円)以下で貸し出されている。Airbnbによると、3月2日から3日にかけて6万1000泊以上の宿泊が予約され、190万ドル(約2億2000万円)の寄付がなされたことになるという。
Airbnbは、この運動を取り仕切っているわけではないが、ウクライナのゲストとホストにかかる手数料を一時的にすべて免除している。「このような危機のさなか、私たちのコミュニティーが示した寛大さは気持ちを奮い立たせるもので、当社としても頭が下がる思いだ」と同社は述べた。
ただし、旅行ジャーナリストのSimon Calder氏は、この善意の運動が詐欺師を引き寄せるおそれがあるとして注意を呼びかけた。
「私がロシアの詐欺師だったら、その崇高な目的に付け込んで利益を得るために、キエフとオデッサにできるだけ早く偽のAirbnb物件を登録するだろう」と同氏はツイートした。
Airbnbは2月、最大10万人のウクライナ避難者に対し、短期滞在できる住居を無料で提供すると発表している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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