西日本鉄道は3月7日、いすゞ自動車、三菱商事、福岡国際空港と共同で、福岡空港内における大型自動運転バスを用いた自動運転の実証実験を実施すると発表した。
3月8日~4月8日まで、福岡空港国内線・国際線連絡バス道路の約1.4kmを運行する。運行時間帯は6時〜21時で、1日8往復する予定。定員79人、座席29席の「いすゞエルガ 2RG-LV290Q3」を使用する。
現在、多くのバス事業者は、運転士不足や利用者減少に伴う採算悪化などの課題を抱えているという。これらの課題に対し、自動運転バスは移動手段の確保やバス運転士の省人化だけでなく、増便や運行時間帯の拡大など、利便性向上にも寄与するとして注目されている。
同社ではこれまで、経済産業省、国土交通省の事業の一環として、北九州エリアにおいて2020年2月に小型自動運転バス、同年10月に中型自動運転バスの実証実験を行うなど、さまざまな取り組みを行ってきた。
今回、これまでのノウハウを生かし、同社として初めて大型自動運転バスを用いた実証実験を行うことになった。
使用する大型自動運転バス(いすゞエルガ)には、自車位置推定手段として3Dマップを利用。車載のLiDAR(Light Detection And Ranging)で受信した情報と3Dマップを照合することで、高精細な自車位置推定と高い障害物検知が期待できるという。
なお、LiDARとは、レーザー光を対象物などに照射し、反射光が戻ってくるまでの時間をもとに対象物までの距離を測る機器となる。
今回の実験で西日本鉄道は、自動運転バスの運行業務を担い、運行主体としての安全性や利便性に関する知見の獲得、運用やサービス面における課題点の検証など行う。
また、将来的な自動運転バスの社会実装を見据え、同取り組みを通じて自動運転バスの運行に関する知見を蓄積。今後も持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けて、自動運転技術をはじめとする先進技術の導入と事業化に向けた取り組みを行っていくという。
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