Slack Technologiesは2020年7月、Microsoftが「Office」に「Teams」を統合しているのは競争法違反にあたるとして、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会に苦情を申し立てた。Reutersが米国時間10月8日に報じたところによると、欧州委は、そうしたバンドリングによって生じ得る損害について、Teamsと競合する製品を手がける企業に質問状を送付し、Slackの申し立てについて調査に乗り出す構えを見せているという。
欧州委がMicrosoftの競合各社に送付した質問状を入手したというReutersによると、調査対象の期間は2016年から2021年までだという。
Microsoftは一時期Slackの買収を検討したことが報じられたが、代わりにSlackと競合する独自のコラボレーション製品Teamsをリリースすることを決定した。Teamsは2016年にベータ版がリリースされている。2020年12月には、SalesforceがSlackを277億ドル(当時のレートで約2兆8900億円)で買収すると発表した。Microsoftは、「Microsoft 365」(旧「Office 365」)のプランの一環として、Teamsを追加費用なしで利用できるようにしている。
Reutersによると、欧州委は、バンドル製品によって企業が両製品市場での市場支配力を高め得るデータにアクセスできるようになっているかどうかや、バンドリングによって競い合うことが難しくなっていないかどうかを調査しているという。また、質問状では、職場向けアプリ市場への参入や拡大に伴う障壁、顧客の乗り換えコスト、ユーザーデータ保護の重要性について尋ねている。さらに、TeamsまたはバンドルされたOfficeに乗り換えた顧客のリストや、新型コロナウイルスが職場向けアプリの需要に与えた影響についても質問しているという。
Microsoftにコメントを求めたが、回答は得られていない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス