米議員らは米国時間9月30日、Facebookのプラットフォームが若年ユーザーの心の健康に与える悪影響をめぐり、同社の代表者と公聴会で対峙した。同社を抑制するための新たな規制が設けられる可能性が、また浮上している。しかし、新しい規則に関する議論を進める前に、来週には内部告発者による証言があり、そこでFacebookが何を認識していたかがさらに明らかになるとみられる。
公聴会は、Facebookのディレクターで、安全性担当グローバル責任者を務めるAntigone Davis氏の証言で始まった。同氏は、上院商業科学運輸委員会の小委員会に出席し、The Wall Street Journal(WSJ)の調査で明かされた内容について説明した。WSJは、同社の幹部らが同社プラットフォームの悪影響を知りながら、それに対処しなかったことを示す、一連の記事を公開している。例えば、Facebook独自の社内調査で、Instragramが10代女子の体型コンプレックスの問題、不安、落ち込みを増長することが示されていたことが、WSJの調査で明らかになっている。
この公聴会に先立ち、WSJは、同紙の記事の元となったFacebookの6件の社内文書を公開した。WSJがこれらの文書を公開することを知ったFacebookは、そのうちの2件を自ら公開していた。
この数年間で、数多くの調査によって、FacebookやInstagramなどのソーシャルメディアサイトが10代のユーザーとその自己認識に及ぼす悪影響が示されてきた。しかし、WSJの記事のように、企業自体が自社のプラットフォームの問題を認識していたことが暴露されたケースは少ない。
一方、社内文書をWSJに提供した内部告発者は、10月5日に同じ小委員会で証言する予定だ。議員らは9月30日、Davis氏に対し、Facebookはこの内部告発者に報復しないと誓えるかと尋ねた。「上院公聴会に出席することについては報復しないと、既に表明している」と同氏は述べ、WSJに文書をリークしたことについて内部告発者が法的な措置をとられる可能性を保留した。
Davis氏は事前に用意した発言の中で、WSJの記事におけるFacebookの調査結果の切り取り方に、Facebookは「強く」異議を唱えると述べた。「これは、Instagramと実世界の問題の間の因果関係を調べたものではない」と同氏は述べた。また、実際には、「当社の調査結果では、悩みを抱える多くの10代ユーザーが、10代に共通する多くの難しい問題に対処する上でInstagramが役に立つと述べていることが示された」とした。
両政党の議員らが、同氏の発言に懐疑的な目を向けた。この小委員会の委員長を務めるRichard Blumenthal上院議員(民主党、コネチカット州選出)は、13歳の女子を装った偽のInstagramアカウントを作成したという。過度なダイエットや摂食障害に関連するいくつかのアカウントをフォローすると、同アプリは直ちに、同じような悪影響を持つコンテンツに関連する、他の多数のアカウントを提案し始めたと、Blumenthal氏は述べた。
「これはInstagramが作り出した壊滅的な事態だ」と同氏は述べた。「Facebookはわれわれに信頼するよう求めた。しかし、こうした言い逃れと発覚の後で、なぜ信頼しなければならないのか」
議員らはソーシャルメディアの悪影響に対処するための、さまざまな法的なやり方を挙げた。その1つが、児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)の改正だ。Ed Markey上院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)は、「Kids Internet Design and Safety (KIDS) Act」法案を提出すると述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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