Facebookのスマートグラス「Ray-Ban Stories」を試す--いろいろな点で既視感 - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2021年09月20日 07時30分

オーディオとカメラの品質:まずOKという程度

 Ray-Ban Storiesは、Bluetoothヘッドホンのように機能し、耳のそばに配置されたスピーカーホールから音楽が流れてくる。「Oculus Quest 2」のヘッドバンドに付いているスピーカーと似た感じだ。つまり、Ray-Ban Storiesをさっと装着して、例えば店に行くときに、このスマートグラスは装着したまま、イヤホンを外すことなくマスクをかけたり外したりしやすいということだ。ただ、オーディオの音量と音質に関してヘッドホン並みは期待できない。あるいは、「Bose Frames」と比べても分が悪い。Bose Framesの方がサウンドはリッチで音量も大きい。気軽にポッドキャストやちょっとした音楽を聴いたり、電話に使ったりする分には十分だ。内蔵マイクの音質も、周りからの証言によると、通話には全く問題ないようだった。筆者の母と友人からそう聞いている。ビームフォーミングマイクが3基使われていて、屋外の通話でも動作は良好だった。ただ、芝刈り機など周囲の音が入ってしまうことはあった。

 厳密にいうと、筆者の耳元まで近づけば、あるいは通話しているのが静かな場所だったら、何を聞いているのかとか、通話相手が誰なのかということを聴き取ることができてしまう。Oculus Questを通して聞こえてくる音が、離れたところからでもかすかに聞こえるのと似ている。

 Ray-Ban Storiesが、最近なにかと話題の3D空間オーディオに対応していないのは意外だ。Facebookは、バーチャルに人と人を近づける手段として空間オーディオに積極的なのだが、今のところその機能がRay-Ban Storiesにはない。

figure_7Ray-Ban Storiesでの自撮り、自宅のバスルームにて。
提供:Scott Stein/CNET

 カメラ機能は、とっさの撮影には向いているものの、スマートフォンの代わりにはならない。5メガピクセルのカメラは、そもそもスマートフォンカメラと張り合うような設計ではなく、写真によっては質感もディテールも見慣れたレベルに達していない。それでも、公園で撮った何枚かの写真はまずまずで、筆者がこの夏に試した「Apple Watch」用リストバンドカメラに近い感じがある。スマートフォンがないときにスナップ写真を撮れるのは、何もないよりましだ。懐かしく思い出されたのは、「Google Glass」も含めた、写真記録の代わりになるカメラデバイスだった。とはいえ、Ray-Ban Storiesにはディスプレイがないので、前方を向いて、うまくフレームに収まっていることを願うしかない。結果的に、大抵はそこそこうまく撮れていた。

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Ray-Ban Storiesのビデオ撮影機能を試している筆者。
提供:Scott Stein/CNET

 動画は、1回で30秒まで撮影できる。予想より良かったと思うが、筆者のレビュー動画とクリップを見て各自で判断してほしい。何といっても「GoPro」とは違うのだし、30秒という時間制限もあるので、スポーツや料理、アートなどに使える本格的なハンズフリーカメラの代わりになることはまずないだろう。

 撮影できる動画のフォーマットは1184×1184ピクセルの正方形で(縦長のポートレートモードもある)、毎秒30フレーム。静止画は4:3のアスペクト比で、解像度は2592×1944ピクセルとなる。Snapの「Spectacles」のような円形の動画は採用していない(ありがたいことだ)。

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公園付近での1枚。よく取れたほうだ。
提供:Scott Stein/CNET

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