Googleが報道機関との関係をめぐってまたしても矢面に立たされている。仏競争当局は現地時間7月13日、同社が報道機関各社との交渉に「誠意を持って」臨まなかったとして、5億ユーロ(約650億円)の罰金を科すことを明らかにした。
フランスは、欧州連合(EU)の著作権指令を最初に施行するEU加盟国の1つだ。2019年に発効したこの著作権指令に基づき、報道機関各社は自社のコンテンツの表示に対して対価を要求することができることになった。これを受け、仏競争当局は2020年、Googleに対してライセンス料の支払いについて報道機関と交渉するよう命じ、これに従わなければ罰金を科すと伝えていた。その後、フランスの報道機関連合は競争当局に対し、同社が命令に従っていないと苦情を訴えた。
Googleはこれまで何度も報道機関と衝突してきている。同社は、著作権で保護されたコンテンツの一部を検索結果に表示する方法(著作隣接権とも呼ばれる)をめぐって、世界中の報道機関との交渉が膠着状態にある。
仏競争当局は今回、Googleが合意の付随条件として提示した複数の条件をもとに、Googleが誠意をもって交渉に臨んでいないと判断した。この条件の中には、同社独自のニュース製品「Showcase」に関してのみ提携を協議することを要求したこと、報道記事によって生成された間接的な収益を含めて対価を評価することを拒否したこと、「一般的な情報や政治的な情報」を報道しない企業との交渉を拒否したことなどが含まれている。
Googleの広報担当者は、「この判断は非常に残念だ。当社は全ての過程で誠意をもって行動した」「今回の罰金は、合意に向けた当社の努力や、当社プラットフォームにおけるニュースの仕組みを無視したものだ。現時点でGoogleは著作隣接権について合意を発表した唯一の企業だ」と述べた。
同社はまた、フランスの報道機関AFPとの間で世界的なライセンス契約を含む合意に近づいていることも明らかにした。
仏競争当局による今回の決定を受け、Googleは2カ月以内に報道機関に対する使用料の支払いに関する詳しい計画を提示することが求められ、これに応じない場合は追加で1日あたり90万ユーロ(約1億2000万円)の罰金を科されることになる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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