アマゾンの労組結成否決で小売業界の労組が異議申し立て

Laura Hautala (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)2021年04月20日 11時37分

 米アラバマ州のAmazonの倉庫で労働組合の結成をめぐり行われた投票について、小売業界の労組「Retail, Wholesale and Department Store Union(RWDSU)」は米国時間4月16日、Amazonが不適切に投票結果に影響を及ぼしたとして、全米労働関係委員会(NLRB)に異議を申し立てた。RWDSUは否決された投票結果を破棄するよう求めている。NLRBは4月9日、反対多数でRWDSU側が敗れたと発表していた

Amazon
提供:Patrick T. Fallon

 RWDSUは申立書の中で、Amazonが地域の最低賃金の2倍近い賃金を支払っているこの物流倉庫で、大量解雇や倉庫の閉鎖を示唆するなどして従業員を脅したと主張している。また、AmazonがNLRBの要請に反し、投票箱を自社の敷地内に設置したとしている。

 米CNETはAmazonにコメントを求めたところ、投票結果が明らかになった9日に公開したブログ記事を参照してほしいとのことだった。

 Amazonはブログ記事の中で、「Amazonがこの選挙に勝ったのは、従業員を脅したからだと組合が主張することは容易に予測できるが、それは正しくない」とし、「当社の従業員はわれわれからよりも、組合、政治家、報道機関からはるかに多くの反Amazonのメッセージを聞いていた。Amazonが勝ったのではない。従業員が組合への参加に反対票を投じることを選んだ」と書いていた。

 最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏は先週、Amazonを世界最高の雇用主にすると約束した。Bezos氏は株主に宛てた年次書簡の中で、倉庫の従業員が不合理な業績目標に従うような現場にさらされているわけではないとし、従業員の成功のためにAmazonが「より優れたビジョン」を必要としていることを認めた。さらに同氏は、従業員の過労や負傷を防ぐためにジョブローテーションプログラムを開始すると発表している。

 RWDSUは16日に提出した異議申立書の中で、Amazonが駐車場にカメラを設置して投票所が監視されているという雰囲気を作り出したと述べている。また、Amazonが市当局に信号の点灯時間の変更を要請したのは、倉庫での勤務を終えて車で帰宅する従業員と組合支持者が話をするのを難しくするためだったと主張している。Amazonは、信号の変更は倉庫の交通流量の変化に対応するためだったとしている。

 RWDSUは今後、これらの主張を裏付ける証拠を提出する必要がある。この異議申し立てが最初の審査を通過すれば、NLRBが訴訟の場で検討し、決着まで数週間かかる可能性がある。NLRBが選挙結果を破棄した場合、次のステップとして、再投票が実施される可能性もある。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]