Amazonの物流倉庫における労働環境を批判し、気候変動への取り組みを求めていた従業員2人を同社が2020年に解雇した件で、米連邦政府の独立機関である全米労働関係委員会(NLRB)がこれを違法と認定したと報じられている。NLRBは、元従業員のEmily Cunningham氏およびMaren Costa氏に対して、Amazonとの間で和解が成立しない場合、不当な労働慣行で同社を告発すると説明したという。The New York Timesが米国時間4月5日、Cunningham氏から提供された文書を基に報じた。
Amazonは2020年4月、技術系従業員だった2人を解雇した。解雇前、2人は新型コロナウイルスのパンデミック下における同社倉庫の労働条件を公に批判していた。ユーザーエクスペリエンスデザイナーだったCunningham氏とCosta氏は、ともにAmazonの従業員で構成される気候変動擁護グループ「Amazon Employees for Climate Justice」の活動的なメンバーで、倉庫で働く従業員の保護が不十分だと訴えて、倉庫従業員に対する寄付を募り、500ドル(約5万5000円)を上限に集まった寄付金と同額を自らも寄付するとしていた。
Amazonは当時、2人氏が「社内ポリシーに繰り返し違反した」ことを理由に解雇したと述べており、5日にも同じ声明を繰り返した。
「当社がこれらの従業員を解雇したのは、労働条件、安全性、サステナビリティーについて公に発言したためではなく、社内ポリシーに繰り返し違反したためだ」と、Amazonの広報担当者は電子メールで声明を寄せた。
解雇を受けて、現在の米副大統領であるKamala Harris氏を含む9人の上院議員が2020年5月、Amazonの最高経営責任者(CEO)であるJeff Bezos氏に公開書簡を送り、解雇に関する同社のポリシーと、解雇は報復ではないかとの懸念について説明を求めていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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