Appleは毎年、iPhoneに新しいプロセッサを価値として与え、これを頂点にしてモデルを構成する。2020年の場合は、A14 Bionicがそれにあたり、5nmプロセスと更に微細化を進めた。もっともAppleのプロセッサの進化としては、Mac向けにM1が話題の中心となったこともあり、A14 Bionic自体がパフォーマンス面で大きく注目を集めることはなかった。
ただし、16コアに増加した機械学習処理を担うニューラルエンジンや、HDRビデオを処理するアクセラレータの内蔵などにより、iPhoneの写真・ビデオの性能は大きく向上した点は特筆すべきであり、iPhone 12シリーズすべてで、より正確な色とホワイトバランスやHDRビデオ撮影を実現している。
そのカメラまわりのハードウェアだが、iPhone 12シリーズ共通で、広角カメラがf1.8からf1.6へと明るくなり、暗所性能を向上させた。またProシリーズには2020年のiPad Proに搭載したLiDARスキャナが搭載された。光を発出して反射を測定することで、5mまでの正確な距離を測ることができる仕組みは同じだが、iPhone 12 ProではこれをARだけでなくカメラアプリでも活用し、暗所でのオートフォーカスや被写体認識に活用できるようにした。
加えて、iPhone 12 Pro Maxには特別なカメラが採用された。まず広角カメラは同じf1.6の明るさだが、センサーサイズを47%拡大させ、センサーシフト式光学手ぶれ補正を採用することで、暗所性能を大幅に高めた。ビデオ撮影の際にも、スムーズさが増す。また望遠レンズはこれまでの2倍望遠(52mm/f2.2)から、2.5倍(65mm/f2.4)に変更され、マクロ撮影的な活用もしやすくなっている。
後編は、モデル選びと注意すべきポイントについてお伝えする。
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