東京建物と東京メイカーは12月17日、エンジニアが共創する場「Tokyo Idea Exchange(トーキョーアイディアエクスチェンジ)」を開設したと発表した。企業やジャンルの枠をこえてエンジニアが集うことで、新たなものづくりを推進する。
TOKYO IDEA EXCHANGEは、東京都中央区京橋に開設。工作室にはUVプリンターや3Dプリンターなどの設備を用意し、「思いついたらすぐ作れる環境」(東京メイカー 代表取締役の毛利宣裕氏)を整える。
東京メイカーを毛利氏とともに運営する、インクス創設者で県立広島大学MBA客員教授を務める山田眞次郎氏は「京橋地区にエンジニアを集結させ、衰退しつつある日本のものづくりを再度盛り上げることが目的。今は企業やジャンルでエンジニアが散り散りバラバラになっている。そうした枠を越えて集結させたい。例えば自動車とテレビのエンジニアが一緒になって開発するようなものを作っていきたい」とTokyo Idea Exchangeの目的を話した。
すでに、企業の枠を超えた「エンジニア」が共創する場「Engineers United Society」を組成し、慶應義塾大学病院 感染制御部、橋本総業、TIEXの3者でコロナ対策機器である「超軽量 飛沫感染防止BOX型シールド」を共同で開発。これは寝ている患者の頭部にかぶせ、飛沫を防止することで、感染を抑えるというもの。以前から同様のボックスは存在したが、アクリル製で重く、かさばる、洗浄がしにくいなどの課題があったという。
超軽量 飛沫感染防止BOX型シールドは、従来製品に比べ、10分の1の軽さを実現。落としても壊れにくく、繰り返しアルコール消毒が可能だ。加えてコンパクトに折りたたみができるなどのメリットを持つ。
コロナ感染が拡大する4月頃より橋本総業とTIEXが連携し、慶應義塾大学病院感染制御部から従来の飛沫感染対策の製品に関する困りごとの相談を受け、開発を進めてきたとのこと。大学病院のスタッフとは昼休みの時間を活用して、試作品を見てもらうなどして、開発にこぎつけた。
今後は医療に限らず、幅広いジャンルでものづくりを推進していく方針。「会社単位では考えつかないものを一緒に考えていく」(山田氏)とし、ものづくりに関わる企業や人の交流を促す拠点をつくり、世の中にある困りごとを「エンジニアリング」を通じて解決するための活動を開始するとしている。
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