アップル、旧「iPhone」の性能制限めぐり和解--約117億円支払いへ

Ian Sherr (CNET News) 翻訳校正: 緒方亮 長谷睦 (ガリレオ)2020年11月19日 11時26分

 Appleは、「iPhone」旧機種のバッテリーが劣化した際に端末の性能を抑えていたことをめぐり、全米34州とコロンビア特別区当局が調査に乗り出していた件で、和解することになった。同社が1億1300万ドル(約117億円)を支払う。Appleは当初、性能を抑制していた事実を公表しておらず、インターネット上で追及されたことから明らかになった。特に当初Appleが率直に情報を開示しなかったことに対し、規制当局や購入者の間で批判が広がった。

iPhone
提供:iFixit

 Appleは裁判所に提出した書類の中で、調査を終結させる和解案に同意したとしながらも、「ここには、法、規則、規制の違反、あるいはその他の事実問題や法律問題、責任や不正行為などについて、自認や譲歩と受け止められたり解釈されたりするものは含まれておらず、Appleはそのすべてを明確に否定する」としている。

 Appleは、iPhoneの性能を意図的に抑制したとの疑惑を否定してきたが、買い換えを促すために古くなったiPhoneの性能を落とし、「計画的な陳腐化」を行っていたとの見方は根強かった。同社は、顧客体験全体の向上と製品寿命を延ばすためであり、旧モデルの買い換えを促すためではないが、性能を抑制していたことを認め、世界中がこのニュースに注目した。

 これに対する批判の声を受け、Appleは約1週間後に正式に謝罪したが、やはり顧客の利益を最優先したためだったと主張した。また、Appleは通常79ドル(8800円)のバッテリー交換を、申請した全てのユーザーを対象に期間限定で29ドル(3200円)で提供した。さらに、iPhoneのバッテリーの状態をより詳しく説明する機能を「iOS」に追加し、バッテリーの駆動時間と端末のパフォーマンスのどちらを優先するかをユーザーが選択できるようにした。

iPhone
提供:Apple

 それでも、訴訟と調査は続いた。Appleは2020年3月、集団代表訴訟で最大5億ドル(約540億円)の和解金を払うことに同意した。この中でAppleは、iPhone1台あたり25ドル(2600円)を顧客に払うことに同意し、最小で計3億1000万ドル(約336億円)を支払う条件とされていた。一定の条件を満たすiPhone端末を所有する米国ユーザーが、この和解の対象となった。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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