筆者は、仲間とカリフォルニア州の人里離れたロスト海岸を数日間にわたって歩き、その孤絶した手つかずの海岸の美を探索した。今回の行程では、かさばるキヤノン「EOS 5D Mark III」と何本ものレンズは持参せず、「iPhone 12 Pro Max」だけを持ち歩いた。さすがに、いつもの機材の代わりにはならないが、想像を絶するこの自然のなかで、iPhone 12 Pro Maxは頼もしい相棒だった。
ロスト海岸トレイルは、実際にはそのほとんどが「トレイル」ではない。何十kmにもわたって、足元で波が砕ける水際を、ときには岩場を踏みしめながら進んでいく。果てしなく伸びるその海岸のトレイルは、満潮になると全く歩けなくなる。地形は険しく、天候は予測しがたい。これが、ロスト海岸なのだ。
太平洋の岩がちな海岸線から、険しく鋭い崖がそびえ立つ。それがそのまま1200m以上の標高まで続いており、そこから数kmほど内陸に入ったところが、キングレンジ・ナショナル保護地域になっている。
干潮時には、固くなった砂浜まで降りていけることもあり、海藻やイソギンチャク、小魚のいる潮だまりを散策できる。
iPhone 12 Pro Maxのカメラで撮影したディテールを、砂とヒトデの両方で確かめてほしい。
潮位の関係で通れなくなる一帯に来ると、数kmほどビーチハイキングと岩登りを繰り返し、ようやく最初のキャンプ地ランドール川にたどり着いた。
満潮時に通れなくなる一帯を過ぎると、6kmほど開けた草原と、緑の多い断崖が続く。
夕暮れのマトールビーチには、強風と荒波で流れ着いた大きな流木が、そこかしこに見られた。
写真で何よりも重要なのは、光だ。画像は、ある場面のさまざまな被写体から反射される光量の違いを捉えることで成り立っている。暗い被写体は光の多くを吸収してしまい、反射してカメラに届く光の量が少なくなる。逆に被写体が明るいと、反射してセンサーに入る光の量が多くなる。光量が乏しい場面でどれくらい良い写真が撮れるかは、どんなカメラでも大きい課題だ。
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