Elon Musk氏は米国時間7月9日、自身が創設したNeuralinkが手がける、脳にコンピューターを直接つなぐインプラント装置の進捗状況を8月に発表することを明らかにした。
Neuralinkは、超広帯域幅で脳とコンピューターを結ぶインターフェースの開発を目指している。Musk氏は、2017年にブレインマシンインターフェース(BMI)プロジェクトを発表して以来初めてとなるNeuralinkの最新情報を、米国時間8月28日に明らかにするとツイートした。
同氏はNeuralinkを発表した際、この技術が人工知能(AI)の脅威に対する答えになると主張した。同氏はAIについて、人類に「存在のリスク」をもたらすと警告している。
同氏は、「ニューラルレース」とも呼ばれるNeuralinkのBMIが、人間がAIの「飼い猫」になるのを避けるのに役立つと考えている。人間は将来、コンピューターと同じように知能を追加してアップデートできるようになるという。短期的には、Neuralinkの技術がてんかんや抑うつ、脊髄損傷といった疾患の治療に役立つ可能性があると同氏は考えている。
Twitterで8月28日の発表を予告した後、同氏はその内容に関するいくつかの質問に答えた。
9日のツイートでは、Neuralinkの目指すところについて「彼らを倒せないなら、加わればいい」と曖昧に表現し、さらに「待つ間は、AIと共生だ」ともツイートした。
しかし、10日にはNeuralinkの最初の目標が医療支援であることを明言した。「深刻な脳損傷について支援するのがわれわれの最優先事項だ」
また、依存症や抑うつをもたらす脳の部位の回復にNeuralinkの技術を役立てることが可能かと質問され、自身の考えを示した。
「もちろんだ。このことは、素晴らしいと同時に、驚異的でもある。われわれ人間が感じたり考えたりしてきたことはすべて電気信号だ。初期宇宙は(素粒子の)クォークとレプトンが混ざり合ったスープにすぎなかった。宇宙のごく小さな一片が、どうやって知覚を伴い自ら思考し始めたのか?」(同氏)
同氏は2019年、「サルは自分の脳でコンピュータを制御することができた」と述べ、Neuralinkが2020年に臨床試験を開始する計画であることを明らかにした。
Neuralinkの技術では、ドリルで脳に小さな穴を開け、血管を避けながら糸状の電極を挿入する。Musk氏によると、米食品医薬品局(FDA)の承認を得るのは「かなり難しい」という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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