筆者は、これまで一貫して「Apple Watch」のファンだったわけではない。2015年に発売されたとき、きっとすごいだろうと期待して購入したが、結局は、手首にはめているより引き出しに入っている時間の方が多くなった。ようやくもっと頻繁に装着するようになったのは、それから3年たって、2つの大きな機能、LTEとECG(心電図)アプリが出そろってからだった。それ以降は、すっかり手首が定位置になった。
筆者がスペイン語版CNETでApple Watchを取り上げ始めたのは、公式発表より何カ月も前のことだった。2014年の夏には、週に1回、Appleのうわさに関する動画を担当していて、Appleが秋には「iWatch」を発表するという話が既に流れていた。
うわさどおり、2014年9月9日のイベントでは、「iPhone 6」の紹介に続いて、最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏の口から、「One more thing(最後にもうひとつ)」という言葉が飛び出した。それがApple Watchだった。言うまでもなく、世界初のスマートウォッチではない。当時既に、サムスン、Motorola、ソニーをはじめ各社からスマートウォッチは登場していたからだ。だが、どんな製品にしろAppleが世界初に固執しないのはいつものこと。それでも、Appleとしては全く新しい製品カテゴリーであり、何より、Steve Jobs氏以降の時代では初のカテゴリーだった(Jobs氏の死去からほぼ3年がたっていた)。
基調講演が終わってから、筆者はデモルームで間近にApple Watchを見ることができた。確かに興味を引かれた。それまでに見たなかで、ひときわ美しいと思ったのを覚えている。といっても、期待の水準がもともとかなり低かった。それ以前にテストした初期のスマートウォッチは、ほぼどれも大きすぎて、見るからに男性向けの設計だったのだ。Apple Watchは2サイズから選べた(38mmと42mm)ので、少なくとも男女差に配慮されていた。だが、最初の出会いはその短い時間だけで、実機をテストできるまでには、さらに8カ月近く待たされることになった。
明るいグリーンのスポーツバンドを選んで予約注文していたアルミニウムモデルが、2015年4月24日に筆者の手元に届いた。発売の当日だ。今から思うと、もっと落ち着いた色を選ぶべきだったかもしれない。だが、豊富なカラーバリエーションを見て、思わずつられてしまったのだ。
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