タブレットや液晶ディスプレイデジタイザー、ペンタブレットに、スタイラスペンを組み合わせて絵を描く人は多いだろう。描き直しがしやすかったり、色塗りが簡単に実行できたりするメリットは大きい一方、ガラス面をスタイラスで擦る感触は固く、紙やキャンバス、鉛筆や筆といった昔ながらの画材とまったく異なる。そうした違和感のせいでタブレットなどお絵かきツールとして使わない人もいるはずだ。
これに対しAppleは、キャンバスと筆といった画材の描き心地を再現するスタイラス向け技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間6月23日に「STYLUS WITH HAPTIC FEEDBACK FOR TEXTURE SIMULATION」(特許番号「US 10,691,209 B2」)として登録された。出願日は2018年6月19日、公開日は2019年12月19日(公開特許番号「US 2019/0384402 A1」)。
この特許は、何かに押しつけられると振動フィードバックを返すスタイラスに関するもの。たとえば、絵などを描こうとタブレットの画面にこのスタイラスを押しつけて動かすと、スタイラスが振動し、その感覚が指と手に伝わる。
スタイラスの先が押しつけられたことは、内蔵している力センサーで得たデータを解析して判断する。スタイラスのペン先はボディと独立して動く構造になっていて、内部にあるコイルと2つの磁石モジュールへ電流を流すと、スタイラスが振動する仕組みだ。
ペン先が押しつけられると振動するよう制御されており、振動フィードバックを起こす。その際、振動パターンを工夫すれば、紙と鉛筆、キャンバスと絵筆、銅板と鉄筆など、各種画材に固有の書き心地を再現できるだろう。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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