組織的な人種差別を終わらせるための取り組みの一環として警察改革を求める声が世界中で高まるなか、Googleの従業員らが最高経営責任者(CEO)のSundar Pichai氏に対し、同社による警察当局への技術提供をやめるよう求める書簡を送付した。
米CNETが確認したこの書簡には、本記事執筆時点で1600人を超えるGoogle従業員が署名している。
この書簡は、Gradient Venturesを通じた警察や軍隊とのGoogleの取り組みを非難したもの。Gradient Venturesは、2017年に設立されたGoogleのベンチャーキャピタル部門で、人工知能(AI)を専門としている。また、Googleのクラウド部門についても、ニューヨークのクラークスタウン警察署との関係を声高に宣伝しているとして従業員らは批判している。Googleは、自社の「G Suite」の生産性アプリを利用して、同警察署がITライセンス費を2~3万ドル(約210万~320万円)削減するのを支援したと述べていた。また、同社のソフトウェアによって「証拠の収集と処理が速まる」としていた。
今回の書簡の背景として、武器を保持していなかった黒人男性のGeorge Floydさんが警察の拘束下で死亡した事件を受けて、抗議活動が全米に広がっている。この事件をきっかけに、警察当局に対する資金停止を求める声が全米で高まっている。
「Googleがいまだに警察当局に技術を提供し、警察当局との関係をやや積極的に宣伝し、警察との関係を断ち切ってそうした機関の無力化と資金停止を求める多数の人々に加わるよりも、さらに売り上げを伸ばそうとしていることを知り、失望している」と書簡には記されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」