Facebookの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏は、Donald Trump米大統領の投稿に対して措置を講じないという同社の決定を支持していると報じられている。一方でFacebookの従業員らは、この投稿が暴力を扇動するおそれがあると主張している。
The New York Times(NYT)は、ビデオ通話で行われたFacebookの社内ミーティングの音声を確認した。同紙が米国時間6月2日に報じたところによると、Zuckerberg氏は従業員らに対し、「難しい決定」を下したが「徹底的に検討した」と語ったという。この発言の前日には、Facebookの従業員数百人が同社の決定に抗議してバーチャルストライキを決行した。Facebookの決定は、同じコンテンツをめぐるTwitterの対応と対照的だった。
Trump氏はTwitter、Facebook、Instagramに「略奪が始まる時、発砲が始まる」と投稿した。これは、ミネソタ州の黒人男性George Floydさんが白人警官に膝で首を押さえつけられて死亡したことを発端に抗議運動が始まったことを受けたもの。その様子を撮影した動画で、Floydさんは息ができないと繰り返し訴えていた。
Trump氏が投稿してからTwitterは数時間以内に対応し、「暴力の賛美」についての同社のルールに違反しているという警告を添えて非表示にした。警告部分には、クリックすればツイートを閲覧できる「表示」ボタンも含まれる。一方、Facebookはこれが「特定の害や危険の差し迫ったリスク」をもたらすことを禁じる同社のルールに反していないと判断し、対処しなかった。
保守派はFacebookなどのサイトに言論を検閲されているとして批判してきたが、ソーシャルネットワーク各社はこうした主張を繰り返し否定している。Trump氏は5月28日、ユーザーが作成する投稿についてソーシャルネットワークが受けている連邦法上の保護措置を制限しようと、大統領令に署名した。
Facebook従業員の間でも、Trump氏の投稿に対する同社のアプローチが適切であるかをめぐって意見が分かれていると報じられている。同社は通常、政治家が投稿した記事や広告に干渉しない姿勢をとっているが、コンテンツが「特定の害や危険の差し迫ったリスクをもたらす」おそれがある場合には対処している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス