大豆由来の植物肉原料を開発・製造するスタートアップであるDAIZは5月18日、シリーズAラウンドで農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)、三菱UFJキャピタル等の5社を引受先とする第三者割当増資により、総額6.5億円の資金調達を実施したと発表した。これにより累計調達額は12億円となる。
資金の使途は、(1)日本初となる植物肉原料生産ラインの拡張、(2)本物の肉の味に近づけるためのR&D(AIプロファイリング技術)の強化。
DAIZは、植物肉の研究開発と生産供給体制の確立を目指し、年内に植物肉原料3,000トン/年の生産キャパシティの確保を目標としているという。中長期的には、グローバル展開も見据えており、2021年に熊本県内に国内最大級の植物肉工場建設を計画しているという。
世界的な人口増加と新興国の経済成長により、2030年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」が起こり、これまで以上に食肉価格の高騰が予想されている。「植物肉」は代替タンパク質として注目されているものの一つだ。
日本では、これまでにも大豆由来の植物肉はあったが、主原料は大豆搾油後の残渣物であったため、味や食感に残る違和感、大豆特有の臭いや栄養価の課題があったという。DAIZは大豆を発芽させ、うまみや栄養価を増大させるなどの独自の技術により、課題を解決した植物肉原料(ミラクルチップ)の開発に成功したという。
DAIZはさらに、2020年内にシリーズBラウンドの資金調達を実施する計画。「植物肉で世界を目指すスタートアップ」として、東京証券取引所マザーズ市場への早期の株式公開を目指す。
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