ビデオ会議サービスを提供するZoomは米国時間5月7日、エンドツーエンドの暗号化メッセージとクラウドストレージのシステムを開発するKeybaseを買収したと発表した。Zoomにとって初の企業買収となる。
Keybaseの買収により、エンドツーエンドの暗号化がZoomユーザーのビデオ通話に追加される。これは、Zoomの90日間のセキュリティ計画における大きな進展だ。
Zoomは、同社のプラットフォームにエンドツーエンドの暗号化を採用していると言いながら、実際には採用していなかったことで、これまでに厳しい批判を浴びている。Zoomは、AES-256の暗号化標準規格に基づいてビデオ通話の安全性を確保しているとうたっていたが、実際には、AES-128キーをECBモードで使用するという低水準のセキュリティしか適用していなかった。
暗号化はこの数週間のZoomの焦点で、同社プラットフォームのセキュリティとプライバシーを強化するための90日計画の最重要課題だった。最高経営責任者(CEO)のEric Yuan氏は発表の中で、Keybaseの買収により、エンドツーエンドの暗号化を適用した会議モードをすべての有料アカウントに提供できるようになると述べた。
Zoomは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うビデオ会議の利用急増の恩恵をいち早く享受したが、アプリコード内のセキュリティ脆弱性や、ユーザーデータ管理におけるプライバシーの問題が専門家らによって指摘され、プラットフォームの欠点が直ちに露呈する事態となった。これを受けて同社は4月1日、90日間は新機能の追加を停止してプライバシー問題に対処すると発表し、改善に取り組んできた。
5月22日には暗号化設計の草案を公開し、暗号化の専門家や顧客からのフィードバックを募る計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス