新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、米国全土の都市から人通りが消えている。大勢の人々が在宅で勤務し、子どもたちは遠隔で授業を受け、球場やナイトクラブ、映画館に出かける者はいない。誰もが家庭のブロードバンド接続によってインターネットを利用している。
カリフォルニア州が全域に屋内退避指令を発令し、ニューヨーク市では外出が制限され、他の州や都市も同様の措置を講じるなか、米国全土で学校やオフィスの閉鎖が2週目に突入することから、同国の家庭用ブロードバンドネットワークは今後、大きな負荷にさらされることになる。
これまでのところ、米国や世界のネットワークは、利用の急増にも持ちこたえている。だが、今後もそれが続くだろうか。
欧州連合(EU)は先週、ストリーミングサービスのNetflixに対して、動画配信の画質を抑制して帯域幅の確保に協力するよう求めた。米国のブロードバンド企業は、どれほどのトラフィックにもネットワークは対応できると述べている。しかし、ブロードバンド関連政策の専門家からは懐疑的な声も聞かれる。
Benton Institute for Broadband & Societyの上級フェローで、米連邦通信委員会(FCC)の元法律顧問であるJon Sallet氏は、次のように語る。「正直に言って、われわれには何が正解か分からない。だが、FCCは国内のブロードバンドプロバイダーに状況を問い合わせ、その答えを米国民に発信するべきだ」
FCCのJessica Rosenworcel委員も同じ意見だ。同委員は、米国時間3月20日のツイートで、ハリケーンや停電などの災害が発生した場合と同様に、FCCは「米国の通信ネットワークの状況について毎日報告しなくてはならない。今、この時においてはそれが必要だ。われわれが現代の生活を多少なりとも維持する頼みの綱がネットワークなのだから」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」