約7万6000件の指紋データが保管されたウェブサーバーがインターネット上で誰でも見られる状態になっていたと、研究チームが3月11日付のブログで明らかにした。保護されていない状態で発見されたこの指紋データは、ブラジル企業のAntheus Tecnologiaが収集したもので、指紋に加えて従業員のメールアドレスと電話番号も含まれていた。
このデータベースに含まれていた230万件近いデータポイントのほとんどはサーバーアクセスログで、すでに安全に保管するための措置が取られたと、研究者のAnurag Sen氏は報告した。同氏は自らの調査結果を、ウイルス対策のレビューサイトSafetyDetectivesに掲載している。問題の指紋データは、0と1の数字からなるバイナリデータストリームとして保存されていた。Sen氏によれば、悪意を持った人物がこのデータを指紋の生体画像に変換することも可能だったと考えられるという。
さらに、そうした人物がこのデータを悪用する方法を今すぐ見つけられなかったとしても、テクノロジーの進化によって状況が変わるおそれがあると、Sen氏は指摘した。
「彼ら(悪意ある人物)が将来、悪用する方法を見つけ出すかもしれない」「指紋は生涯にわたって変わることのないものだ」と、Sen氏は懸念を表明した。
Antheus Tecnologiaはコメントの依頼にすぐには応じなかった。
データベースが公開状態になっていた事例は、今回の調査結果だけにとどまらない。正しいIPアドレスさえわかれば誰もが機密データを閲覧できる状態になっていたという事例は、増える一方だ。企業が社内データを自社サーバーからクラウドに移行する中で、経験の浅いITスタッフが誤ってウェブベースのデータベースをパスワードで保護せずに放置してしまうケースが、次々と報告されている。たとえば、ペルーでは映画館の顧客の身分証明書番号が、英国ではマーケティングデータベースに保管された個人の連絡先情報が公開状態になっていた。さらに米国では、リハビリ施設に通っていた薬物中毒患者の医療記録が誰でも見られる状態で放置されていた事例もあった。研究者は、こうしたデータ漏えいを見つけ出しては、企業にデータの保護措置をとるよう求めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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