TCLは先週、ロール式(もしくはスライド式)スマートフォンのダミープロトタイプを報道陣に公開した。米CNETは2月、入手したリーク画像でそのコンセプト端末について報じていた。この端末は、同社が2019年に公開した3つ折りというコンセプトの実働モデルとともに公開され、3つ折りの方は米CNETのEli Blumenthal記者が試用する機会を得た。
筆者はロール式の方を試す機会があり、ディスプレイをスライドさせながら出し入れしてみた。最初に端末を持ったときにはごく普通に見えるが、フレームの右端付近に切れ目があって、そこからディスプレイを引き出すと幅が通常の2倍になる。
閉じた状態のときには通常の6.75インチディスプレイだが、伸ばすと7.8インチに広がるのだ。
ひと目見た感じは斬新で、引き出すと、スクリーンがまるでお菓子のタフィー(柔らかいキャンディーの一種)のように伸びる。だが、よく見ると、追加のフレキシブルディスプレイが左側から伸びて出てくるのが分かる。閉じると、余ったスクリーンはディスプレイの裏側に巻き取られる。
先にダミープロトタイプと書いたが、文字どおりダミーだった。ただのモックアップで電子部品もなく、ディスプレイは本物の画面のように印刷されている薄っぺらのプラスチックシート素材にすぎない。スクリーンを引き出して開こうとしたときに、うまくいかないことが何度もあり、触っている間じゅう、いつ壊れるか気が気ではなかった。
TCLによると、実働プロトタイプは既に存在し、本体を自動的に開閉するしくみもあるという。われわれは、本体と可動ディスプレイの動画を見ることができたが、動きは想像より遅く、まだプロトタイプの域を出ていなかった。
だが、このアイデアだけでも十分に刺激的で、それには見かけの意外性だけではない根拠もいくつかある。
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