Microsoftは「Cortana」の位置づけを変えようとしているが、これは企業で好まれる表現を使うなら、「旅」の過程と言えそうだ。Cortanaをこれまでのスタンドアロン型デジタルアシスタントから、統合された生産性サービスへと変えようとする動きの一環であり、機能の一部は棚上げされることになるかもしれない。
Microsoftは、「Microsoft 365」のパーソナル生産性アシスタントへと進化させる中で、次期バージョンの「Windows 10 20H1」(バージョン2004)の時点でCortanaがどう変化するのか、改めて説明している。
Windows 10 20H1以降、「当社はCortanaへのアクセスを厳格にしており、ユーザーはCortanaを使う前に、職場や学校のアカウント、あるいはMicrosoftアカウントで安全にログインすることが求められる。音楽やコネクテッドホーム、サードパーティーのスキルなど、一部のコンシューマー向けスキルは、Windows 10のアップデートされたCortanaでは利用できなくなる」とMicrosoftは述べている。
筆者がMicrosoftの担当者に確認したところ、「Harman Kardon Invoke」などの特定のスマートホーム機器やスピーカーをCortanaで操作することはまだ可能だが、「iOS」版や「Android」版のCortanaアプリを使う場合に限られる。Windows 10に搭載される新しいスタンドアロン型Cortanaアプリを使う場合、そうした機能を実行できなくなるという。Cortanaを利用できるInvokeスピーカーのユーザーは、使い続けたい場合、iOSまたはAndroid版のCortanaが必要になると担当者は述べた。
MicrosoftはCortanaで生産性にフォーカスしており、今後「Office」アプリケーションや統合された「Microsoft Search」にCortanaの機能を統合することで、ビジネスユーザーがカレンダーの予定を確認、特定のファイルの呼び出し、タスクリストへの追加などを行えるようにする。それとともに、今後もCortanaで「Bing」による検索結果を提示するほか、アラームやタイマーの設定、各種設定の調整などができる。
Microsoftは、セキュリティのために、ユーザーがCortanaを利用する際に、職場や学校のMicrosoftアカウントでサインインするよう求めるようになる。Cortanaのより高度な生産性機能は、まず米国のユーザーに提供される予定だ。米国以外のユーザーは当面、MicrosoftがCortanaの機能を拡充しようとするまでは、CortanaでBingによる検索結果を確認したり、「チャット」したりすることしかできなくなるようだ。
またMicrosoftは、20H1のリリース時点で、サービスが終了しているWindowsの古いバージョンでCortanaのサポートを打ち切る。Android版「Microsoft Launcher」については、4月末までにCortanaサービスを停止する予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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