AuB、京セラ、京都パープルサンガの3社は2月25日、AuBが保有する腸内環境(腸内フローラ)の解析データを用い、人の健康維持やアスリートのパフォーマンス向上を目的とした共同研究契約を締結したと発表した。
腸内フローラとは人間の主に大腸に生息する細菌で、その数は1000種類、100兆〜500兆個以上ともいわれている。消化できない食べ物(主に食物繊維など)を身体に良い栄養物質に作り変えたり、腸内の免疫細胞を活性化させたりするほか、病原菌などから身体を守るなど、健康でいるための重要な役割を果たしている。
AuBは、サッカー元日本代表の鈴木啓太氏が社長を務めるスタートアップ企業。会社設立の2015年から4年間にわたってトップアスリート500人・1000検体以上の便(腸内環境)を解析しており、腸内フローラと太りやすさや筋肉のつきやすさ、免疫力、コンディションなどとの関係を解明している。
今回の共同研究では、AuBが蓄積しているトップアスリートの検体から導き出した腸内フローラの状態と解明データを活用。京都パープルサンガのU-18に所属する選手29人のパフォーマンス向上につなげるとともに、匂いで腸内フローラの種別や活性度を計測するデバイスの開発や企業の健康経営の促進、また一般の人の健康寿命延伸に貢献するビジネスモデルの検討を進めるという。
デバイスは、AuBが腸内細菌データを提供するとともに、京セラのにおいセンシング技術を提供して開発を進める。腸内細菌データベースとにおいデータの関連性をAIが学習することで、便のにおいから腸内フローラの傾向を診断できるようにする。
「現状課題となっている検査にかかる費用と時間を利便性のあるデバイスで実現できるのではないか」(AuB 代表取締役の鈴木啓太氏)と説明。2~3年後のリリースに向け、開発を進めているという。
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