Appleのスマートスピーカー「HomePod」は、音楽再生に力が入れられている。設置されると内蔵マイクで反響音などを捉えた結果を利用し、そのリスニング環境に最適な音場を作るそうだ。
Appleは、スピーカーの設置状況が変化すると自動的に再生パラメーターを調整し直す技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間2月18日に「METHOD TO DETERMINE LOUDSPEAKER CHANGE OF PLACEMENT」(特許番号「US 10,567,901 B2」)として登録された。出願日は2015年9月29日、公開日は2017年9月28日(公開特許番号「US 2017/0280265 A1」)。
この特許は、音楽再生などで使われるスピーカーにおいて、スピーカーの設置状況が変えられたことを何らかの方法で検知し、新たな設置状況で最適な音場が形成できるように再生パラメーターを自動調整する、という内容。複数のスピーカーが設置されている場合は、そのうちの1台の置き方が変更されても全体のパラメーター調整を実行する。
ここでの設置状況の変化とは、スピーカーの置かれていた場所、傾き、方向などだけでなく、周囲の環境変化も含む。そして、環境変化を検知するためのセンサーとしては、ビデオカメラ、スチルカメラ、電子コンパス、加速度計、光センサー、無線アンテナ、温度センサー、電流および電圧センサー、マイク、ジャイロスコープ、圧力センサーなどに言及している。
これらセンサーで取得したデータを解析し、以前キャリブレーションを実行した際と比べある程度以上の大きな変化があった場合は、再度キャリブレーションを実行することになる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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