三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)は2月10日、「第3期MURCアクセラレータLEAPOVER」(リープオーバー)を開催した。第3期生となる6社の中から、最優秀賞が選ばれた。
リープオーバーは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のシンクタンク・コンサルティングファームであるMURCが主催するアクセラレータプログラム。今回が第3期となり「持続可能な地域社会をビジネスで実現する」をコンセプトに、(1)一次産業をはじめとする地域産業、(2)社会インフラ(建設業)、(3)コミュニティ(公共・医療・介護・福祉)の3領域14テーマでテクノロジーを活用したビジネスを推進するスタートアップを対象にしている。
2019年7月に募集を開始し、書類選考となる1次審査、合宿形式の選抜会となる2次選考を経て、採択企業を決定。選考に残った企業は10月から約4カ月のプログラムを経て、最終審査を迎えた。各社のプレゼンテーションは、プレゼンが7分間、審査員からの質疑応答が12分間の持ち時間で、ピッチセッションを実施。最優秀賞には100万円を授与する。
審査基準は(1)社会的インパクトの大きさ(社会、業界をどのように、どの程度変えるか)、(2)市場の魅力度(市場規模、ニーズの強さ)、(3)経営者、チームの魅力、(4)サービス・商品の完成度(プログラム期間中の成熟度)の4つ。各社、プレゼン前に「リープオーバー」と呼びかけると、会場内の審査員や来場者が「飛び越えろ!」と応じるやりとりがある独特のスタイル。プレゼンする側の緊張をほぐすことにもつながっているという。
審査員は、三菱電機 未来イノベーションセンターグループマネージャーの山中聡氏、三谷産業 代表取締役社長の三谷忠照氏、STRIVE 代表パートナーの堤達生氏、ジェネシア・ベンチャーズ 代表取締役社長の田島聡一氏、FullCommitPartners 代表パートナーの山田優大氏、三菱UFJキャピタル 投資第一部副部長の堂前泰志氏の6名。審査委員長は三菱UFJリサーチ&コンサルティング 代表取締役社長の村林聡氏が務めた。
パートナー企業として、電機大手の三菱電機デザイン研究所未来イノベーションセンターと石川県に拠点を構え、住宅設備やエネルギー関連事業を手掛ける三谷産業が名を連ね、スタートアップが取り組みたいPoC(概念実証)を支援することが大きな特徴。加えて、顧客基盤や各種連携先など、大企業のネットワークをいかしたサポートを提供する。さらに、会津若松市、青森県、AIDOR(大阪市)、河内長野市、北九州市、気仙沼市、鯖江市、仙台市、滝沢市、フクオカベンチャーマーケット(福岡県)、矢巾市の11の協力自治体もバックアップ体制を整えており、プレゼンの中でもPoCを経ての気づきやアイデアなどが盛り込まれていた。
最優秀賞は、現場向け特化型ウェブ、AIコミュニケーションシステムを手掛けるクアンドが受賞。審査委員長の村林氏は「6チームのうち4つが建設系、2つがコミュニティ関連のスタートアップにピッチを披露していただいた。いずれもレベルが高く、準備を含めて取り組んでいただき感謝申し上げたい。最優秀賞を選ぶのはかなり大変で、登壇していただいた皆さんのレベルが大変高く、本当に僅差。その中でクアンドは、持続可能な地域社会をビジネスで作るというコンセプトに一番近いものとして選んだ。そうはいってもほかの5チームもまさしく全員準優勝。これからも地域社会の持続成長に向けて全員で未来に向けて、取り組んでいってほしい」とコメントした。
最終選考まで残った6社は以下の通り。なお、スタートアップイベント「StartupGo!Go!2019」で「リープオーバー賞」を受賞したpatternstorageも特別出演として、7社目に登壇した
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」