米連邦通信委員会(FCC)は、米国の地方部の住民がブロードバンドインターネット接続にアクセスできるようにすることを目的とする204億ドル(約2兆2100億円)の基金について、投票の結果承認した。
この動きはFCCにとって「デジタルデバイドを是正するまさにこれまでで最大の1歩」だと同委員会はプレスリリースで述べた。一方、5人の委員のうち2人は計画の一部に反対し、誤ったデータに基づいていると主張した。
「地方部デジタル機会基金(Rural Digital Opportunity Fund)」は、今後10年間にわたってブロードバンドプロバイダーに配分される。この基金は、従来こうした政府の補助金の対象から外れていたケーブルテレビ事業者、移動体通信会社、電力協同組合も利用できる。
FCCのAjit Pai委員長は1月、委員会にこの構想のルールを提案する際、「この基金は、現在十分にブロードバンドを利用できない全米の地方部を対象とし、そのような地域に住む多くの住民に効率的かつ効果的な形で高速プロードバンドを提供するものだ」と述べていた。
この基金に関する投票で部分的に反対した委員の1人であるJessica Rosenworcel氏は先日、対象となる地域を判断するためにFCCが使用している地図は正確ではないとして、ブロードバンドプロバイダーに資金を提供する前に信頼性のあるデータを集めるべきだと述べた。
「現在、ブロードバンドを利用している加入者が1つの国勢調査細分区に1人でもいると、この細分区全体でブロードバンドが利用できることになってしまうが、これは間違ったやり方だ。これによってサービスを受けられずにいる多くの人が見過ごされ、政府によるブロードバンドの取り組みが完了したという誤った印象を与える」(Rosenworcel氏)
基金は2段階の入札で割り当てられる。FCCによると、入札の第1段階はブロードバンドが利用できない地域を対象とする。この部分に関して異論は出ていない。Pai氏によれば、FCCがさらに正確なブロードバンドの普及状況に関するデータを入手したら、部分的にブロードバンドのサービスが利用できる地域に基金を割り当てる第2段階の入札が始まるという。
Pai氏は、「地方部に住む多くの米国人が、高速なブロードバンドがもたらす経済、教育、医療の機会を得る上で、必要以上に待つことがないようにしたい」と述べていた。
Rosenworcel氏は、性急に計画を進めると無駄が生じるおそれがあると反論した。
基金に関する投票は、各委員が所属する政党から予想されるとおりの結果となった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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