峯氏 :遠隔医療に向いている分野はありますか。
ディーネセン氏 :ほとんどの疾患で対応できますが、COPD(慢性閉塞性肺疾患)や心疾患は代表的なものです。特に、慢性期の患者に向いています。逆に重篤な状態の患者には遠隔診療は向いていないと思います。
ほかには、やけどやケガなども治療も遠隔医療に向いています。デンマークには、やけどやケガと一緒に撮影するカラースケールがあります。傷とカラースケールを一緒に撮影して写真をドクターに送ることで、病院に行くべきかどうかが判断できます。
峯氏 :当社には聴診器の音をデジタル化するデジタル聴診器「ネクステート」があるのですが、遠隔医療の現場でどのように活用できるでしょうか。
ディーネセン氏 :たとえば、COPDの患者の場合、24時間の呼吸の観察のほか、肺の音を聴くことで、ぜんそくなのか肺炎なのかといった診断がしやすくなります。心疾患の場合は、心臓の音をデータとあわせることで循環器の機能が低下しているかどうかが分かります。それにより、予防的な関わりや病院に行くタイミング、処方のタイミングをはかることができます。
ネクステートのようなデバイスを調剤薬局などにおいて、いつでも自分の健康状態を観察できるようにしてもいいですね。
峯氏 : 日本は2020年春に5Gのサービスがスタートします。これにより、期待されることはありますか。
ディーネセン氏 :5Gになることで、高精細な画像などもやりとりができます。音声や動画などのデータを送る際も遅延なく安定するのがいいですね。
峯氏 :最後に、こんなデバイスがあるともっと遠隔医療に役立つというものはありますか。
ディーネセン氏 : デジタル聴診器はいいと思います。COPDの患者を例にすると、従来の映像に加えて、呼吸音を聞けばさらに患者の状態の診断精度が上がります。できれば、あまり高価でなければいいですね(笑)。
ほか、自宅で使うテクノロジーや生活のアドバイスをしてくれるテクノロジーがあるとうれしいですね。スマートハウスといったような取り組みでしょうか。
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