東芝映像ソリューションが開発中の「8K レグザエンジン」搭載テレビを公開した。88型で有機ELパネルを採用。エンジン自体は有機EL、液晶などさまざまな8Kデバイスに対応するという。
8K レグザエンジン搭載テレビを公開したのは、タイムラプス/ハイパーラプス クリエイターである清水大輔氏初の個展となった「清水大輔タイムラプス展『そこある光』」(東京・渋谷のtokyoarts galleryで11月17日まで開催)の会場。清水氏がタイムラプスで作った8K作品を表示する形で展示された。
清水氏は、数秒に1コマずつ撮影した画像をつなげて再生することで、映像のようにみせる「タイムラプス」を用いて作品を作るクリエイター。さらに空間移動の要素を加えた「ハイパーラプス」作品にも挑戦している。レグザの店頭用ビデオコンテンツとしても作品を提供しており、東芝映像ソリューションとは、以前から交流があったという。今回、撮りためた作品を公開する形で、個展を開催。会場内でのディスプレイはレグザを使用している。
東芝映像ソリューション R&Dセンターオーディオビジュアル技術開発部部長の山内日美生氏は「史上最高画質を目指して開発している。ポイントはフォーカス感で、今回清水さんの作品はものすごくフォーカス感が高いため、復元の余地は少ないが、フォーカス感が低下しているコンテンツでも、復元し、8Kらしい奥行き感、立体感、実物感を再現できる。超解像技術を応用し、2回の再構成処理によりフォーカスを復元する方法をとっており、これは緻密に解像度を持ち上げていくことで、ナチュラルに復元できるため。8K補間フレームを生成し、倍速表示する8K倍速ドライブにより、本来のフォーカス感、奥行き感、立体感を最大限にいかせる」と、8K レグザエンジンの画質についてコメントした。
また、レグザの今後の方向性についてとして、高画質処理エンジンをクラウドに接続することで、新世代の高画質処理を実現する「クラウド高画質テクノロジー」に取り組んでいることについても明らかにした。
「AIを活用した画質調整は進化しているが、さらにもっと踏み込んだ画質調整としてクラウドを使う。コンテンツの個性にあわせて、さらに踏み込んだ画質調整ができる。映像情報を個別の特性に応じてクラウドから入手して画質調整する。もっとレグザエンジンは自由に進化を遂げられる」(山内氏)とし、番組ごとに適した映像パラメーターで高画質処理をしていくとした。
8K レグザエンジン搭載テレビの発売時期は未定としたが、東芝映像ソリューション 商品企画部ブランド統括マネージャーの本村裕史氏は「技術的には可能な段階にまできている。あとは市場性やタイミングを見ながら考えていきたい。しっかりといい商品を作れるよう、今後も開発を進めていく」とし、発売時期は明らかにしなかった。
8K レグザエンジンは、有機EL、液晶ともに有効なほか、今後開発するレグザの4Kエンジンの高画質処理にも応用できるとのことだ。
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