Sansanは10月30日、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」について、コンプライアンスチェック・反社チェック機能の実装に向けた開発を行うと発表した。スクリーニング・ソリューションを提供するリフィニティブとの共同開発で進める方針。発表にあわせて同日から問い合わせを受け付け、機能提供は2020年3月を予定。Sansanのオプション機能として提供し、料金は、Sansan本体の月額利用料金の20%程度を想定しているという。
この機能は名刺をスキャンし、データ化した段階で自動的に反社チェックが完了するというもの。データ化された名刺情報における会社名データと、リフィニティブのコンプライアンス関連データベースとを名寄せを行い、リスクのある企業を検出。名刺交換相手がリスクのある企業だった場合、Sansan上に通知が表示され、名刺交換者はそのリスクに気が付くことができるという。コンプライアンス担当者や事業部責任者への通知機能の開発も予定しているほか、リスクのある企業をまとめて管理することができる、コンプライアンス担当者用の管理画面も提供予定としている。
発表にあわせて説明会を実施。登壇したSansan 取締役 共同創業者 Sansan事業部長の富岡圭氏は、反社チェック機能の実装について、Sansanのビジネスプラットフォーム化に向けた取り組みの一環と説明する。
昨今ではリスクのある企業と付き合うことに対して、一層厳しい目が向けられている状況があると説明。一方で反社チェックは業務としての敷居が高いことや時間がかかるなどの課題もあるという。企業法務のニーズとしては、コンプライアンス強化を目的に反社チェックの一次スクリーニングの早期実施や工数削減、チェック漏れリスクの回避を挙げた。
Sansanに反社チェック機能を実装することのメリットとしては、従来は営業活動後の受注や商取引のタイミングで反社チェックを行うことが一般的とされているなか、一次スクリーニングを早期化することで、営業活動のロスを低減することが可能。また、自動的に一次スクリーニングを行うことで、コンプライアンス担当者の業務負荷も低減する。さらに、名刺管理を入り口とし、企業との接点をすべてチェックすることができるため、属人化のリスクも減らすことができるという。
富岡氏は、この機能を実装することで法務部門でも役立つサービスになるとし、ビジネスプラットフォームへの歩みを強く進めるものとアピールした。
共同開発を行うリフィニティブは金融データプロバイダーで、約190カ国で4万社を超える企業や機関にサービスを提供。企業が規制を遵守し、潜在的な金融犯罪を特定できるよう、信頼性の高い情報を顧客デューデリジェンス、マネーロンダリング対策、制裁およびテロ資金供与スクリーニングなどの支援に向けたソリューション「World-Check」を提供している。
説明会ではリフィニティブ・ジャパン 上級執行役員 井上清志氏ならびに、同ソリューション営業部 リスク&コンプライアンス 石川拓也氏も登壇。石川氏は、Sansanのソリューションと連携させることで、日本企業における反社チェックの効率化や高度化、さらに全社的なリスクマネジメントを可能とすることは、意味が大きいものとした。
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