過激派組織ISISが、10代の若者の間で人気のソーシャル動画アプリ「TikTok」に目を向け、短いプロパガンダ動画を投稿していると報じられた。The Wall Street Journal(WSJ)の米国時間10月21日の記事によると、そうした動画の中には、複数の遺体が路上を引き回される様子や、銃を持ったISISの兵士、「ジハーディスト(聖戦主義者)であり、それを誇りに思っている」と宣言する女性らの姿が映っているものもあったという(現在は削除されている)。また、一部のコンテンツではTikTokのフィルターを使い、短い動画上でハート形や星形などのオーバーレイ効果を施していたとされる。
WSJによると、ISISの動画は20件余りのアカウントから投稿されていたことを、ソーシャルメディア分析を手がけるStoryfulが確認したという。TikTokの提供元である字節跳動(バイトダンス)はISISの動画を削除し、投稿元とみられるアカウントを停止したと記事では伝えている。
ISISなどの過激派組織は以前からソーシャルメディアを利用し、新たなメンバーを勧誘したりメッセージを拡散させたりしている。Googleは、2019年1〜3月の間にYouTube上でテロリストによるものと疑われる動画を100万件以上精査したと述べた。Facebook、Twitter、Google傘下のYouTube、Microsoftなど一部の大手テクノロジー企業は、テロリズムを宣伝する画像や映像のデータベースを共有し、オンラインでの拡散防止を目指すことで合意している。
バイトダンスは、TikTok上にテロ組織を宣伝するコンテンツの「居場所はまったくない」と述べた。
「そのようなアカウントやそれに関連するデバイスを見つけ次第、恒久的に利用停止にしている。疑わしい行動を積極的に検知するため、さらに強力な管理手法を引き続き開発していく」と同社は電子メールの声明で述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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