20年ほどマニュアル作成に関わっているが、「マニュアル」に特化したこのような本は、未だかつて見たことがない。これはもう、マニュアルを作っている全ての人に必ず、今すぐ読んでもらいたい1冊だ。文章の書き方を工夫するのではどうにもならない、基本的なマニュアルの役割や作り方について、これほど分かりやすくまとめられている本はほかにない。しかも、これが1000円以下で読めてしまうのだ。
当然のことだが、マニュアルを読む人は、マニュアルを書いた本人ほどには、マニュアルに書いてある内容を知らない。「そういう時は、何ページから読めばいいだろう」とか「その場合はこっちのマニュアルを見ればいいはず」などという考えは、マニュアルを作っている側の勝手な思い込みである。マニュアルを読む側の立場に立ってみれば、マニュアル1冊、さらにはほんの数ページ(できれば1ページ)で必要なことが分からないマニュアルなど、まずもって読む気にもならない。
ひどいマニュアルは害にもなり得るということを、こうまで論理的に、豊富な事例を交えてハッキリ書いている本は他にない。他社がどのようなマニュアルを作っているかは、普段知ることはできないので、ぜひとも本書を参考に、自社のマニュアルを見直して欲しい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」