空飛ぶクルマの開発・製造・販売を行うSkyDriveは9月30日、既存投資家であるDroneFund、Zコーポレーションに加えて、STRIVE、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、環境エネルギー投資などによる第三者割当増資および、助成金を通じて、15億円の資金を調達したと発表した。累計調達額は20億円となる。
同社は、航空機・ドローン・自動車エンジニアを中心に2016年から活動している有志団体CARTIVATORのメンバーで発足。2018年12月より、日本初となる空飛ぶクルマ(電動垂直離着陸型無操縦者航空機)の屋外飛行試験を開始している。
また、愛知県・豊田市と連携して、「新産業創出へ向けた『空飛ぶクルマ』開発に関する連携協定」を締結。2019年6月に豊田市で日本最大級(2019年9月時点)の飛行試験場をオープンした。今後は、2019年内に有人飛行試験を開始し、2020年夏のデモフライト、2023年の発売に向けて開発を進めているという。
空飛ぶクルマは、電動化、完全自律の自動操縦、垂直離着陸が特徴の無操縦者航空機。モビリティ分野の新たな動きとして、世界各国で開発が進んでおり、日本においても都市部でのタクシーサービス、離島や山間部の新たな移動手段、災害時の救急搬送などにつながるものと期待されている。また、既存の航空機に比べて低コスト・低騒音であることから、離発着場所もコンパクトになるため、空の移動がより日常的になると考えられていると同社では説明する。
2040年には、グローバルで150兆円の市場規模に達すると予測。日本においても、2018年から「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催され、2023年の事業開始、2030年の本格普及に向けたロードマップが制定されている。先進国においては渋滞緩和、災害時利用。新興国においては、インフラ不要の移動手段としての活用が見込まれている。
同社では、今回の調達資金を、2019年中の有人飛行試験を開始するための部材・人材などの開発費用に充当するという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」