Appleがガラス製品メーカーのCorningに巨額の追加投資を実施し、「iPhone」向けのガラスの開発を強化する。
Appleは米国時間9月17日、自社ファンドのAdvanced Manufacturing Fundから2億5000万ドル(約270億円)をCorningに投資することを明らかにした。2017年にも2億ドル(約220億円)を投資している。Appleによると、今回の投資は、CorningによるiPhoneや「Apple Watch」「iPad」向けガラスの開発を支援する狙いがあり、「次世代のコンシューマー向け機器を届けるために不可欠な、最先端のガラスの処理、装置、素材」の研究開発を支援するという。
最新のiPhoneは、Appleが「スマートフォン史上もっとも丈夫」だとするCorningのカスタムガラスを採用している。「iPhone 11」(7万4800円~)、「iPhone 11 Pro」(10万6800円~)、「iPhone 11 Pro Max」(11万9800円~)は9月20日に発売される。
Corningで「Gorilla Glass」事業の責任者を務めるJohn Bayne氏は、今回の資金調達発表に先立つインタビューで、「2017年の(資金調達)発表から(先日の)iPhoneに関する発表まで、一本の直線でつながっている。資金がどこに投じられたのかがわかるだろう」と述べていた。同氏によると、新たな2億5000万ドルの投資で、Corningは「思い切った取り組み」ができるという。
Bayne氏は、「当社はAppleとは密接に協力しており、Appleが将来の製品でやろうとしていること、そしてそれを当社がいかに支えられるかということを理解している」と述べた。「今回、それが新たな段階に移行する」(Bayne氏)
消費者に最もよく知られたCorningの製品は、キッチン用品などで利用されるガラスウェアの「PYREX」かもしれないが、同社は、スマートフォンやテレビなどの電子機器のガラスディスプレイの大手サプライヤーでもある。Corningの最新技術はAppleやサムスンの携帯電話に採用されており、Gorilla Glassが2007年に登場して以来、世界で70億台以上のデバイスに搭載されている。
AppleのAdvanced Manufacturing Fundは、米国企業に巨額の投資を行い、革新的な生産や高い技術を必要とする職を促し、支援する狙いがあるものだ。これまでに10億ドル(約1100億円)を米企業に投資している。追加で割り当てた50億ドル(約5400億円)もすでに2割を投じた。Corningのほか、Finisarに3億9000万ドル(約420億円)、アルミニウム製造のElysisに1000万ドル(約11億円)を投資している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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