指紋や顔、虹彩パターンなどを利用する生体認証は、スマートフォンでも利用されている。しかし、掌紋や手のひらの静脈パターンでユーザーを識別する手のひら認証は大きなサイズのセンサーが必要なこともあり、小さなモバイルデバイスだと採用が難しい。
これに対し、Appleはさまざまな電子デバイスで手のひら認証を利用するための技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間9月12日に「ELECTRONIC DEVICE INCLUDING PALM BIOMETRIC SENSOR LAYER AND RELATED METHODS」(公開特許番号「US 2019/0278973 A1」)として公開された。出願日は1月30日。
この特許は、ディスプレイを備える電子デバイスにおいて、ディスプレイに覆い被せるようかざした手のひらで生体認証する技術を説明したもの。ディスプレイには、情報表示に必要なモジュールのほか、手のひらに向けて光を照射する部分、反射光をとらえるイメージセンサー、生体認証処理を実行するコントローラーなども組み込まれている。
ディスプレイは、光を透過する部分と透過しない部分が組み合わされており、このような構造にすることで、情報を表示しつつ光を手のひらに照射し、かつ反射光を取得できる。そして、反射光を解析することで手のひらの凹凸情報を得て、ユーザー認証に利用する。
さらに、赤外線を照射して手のひらの静脈パターンを取得するアイデアと、反射光から掌紋のような手のひらのしわパターンを取得するアイデアにも言及している。これらのパターンも、ユーザー認証に使える。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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