物理カードはチタン製で、Chaseの「Sapphire Reserve」やAmerican Expressの「Platinum」といった高級カードで採用されている金属より高級感は高い。ただし、厚みも若干増えている。自動販売機でカードを通すときも、ニューヨークの地下鉄切符売り場でカードを入れるときも問題はなかったが、いずれの場合も厚みがあるせいで、若干、いつもよりスムーズにいかなかった。カードをスワイプするときや抜き出す場合に、少し余分に力を加えなければならないときもあった。地元のアイスクリーム屋でチップリーダーを使ったときは(クレジットカードを試用レビューする特典だ)、問題なかった。
ミニマリストデザインのカード表面には、名前が記され、Apple、Mastercard、Goldman Sachsの各社ロゴとセキュリティチップがあるだけで、それ以外の情報や数字は全く載っていない。従来のカードより、はるかにスマートだ。クレジットカードの見かけにこだわる人にとっては、実にいい自慢になるが、画期的というほどではない。パッケージがしゃれているのは、いつもどおりだ。カードは白い封筒に入った状態で手元に届き、iPhoneをかざすとアクティベートされる。
最近の多くのカードと違って、この物理カードには、モバイル決済のための非接触チップは埋め込まれていない。AppleがiPhoneやApple WatchでApple Payを使ってほしいと想定しているのだから、これは当然だろう。
しかし、Apple Cardの使い方で真価を発揮するのは、なんといってもアプリだ。
Apple Cardと連動し、取引の追跡、カード番号の確認(カード上に番号は載っていない)、実際の支払いを行うのが、Walletアプリだ。万一、物理カードを紛失した場合には、カードの停止と再発行もアプリから手続きできる。現在のカードが「侵害を受けた」と考える場合には、新しいデジタルカード番号の再発行を申請する機能もある。
iPhoneの方を紛失してしまった場合は、「Find My iPhone」(iPhoneを探す)からiPhoneを紛失モードに設定するか、デバイス上の情報を消去すると、Apple Cardも含めてWallet内の全カードが自動的に削除される。この場合でも、Apple Cardの物理カードは引き続き使用できるし、新しいiPhoneが手に入ったら、iCloudアカウントにログインしてWalletアプリからカードを追加すれば、デジタルカードの利用も再開できる。
アプリ自体は、直感的でカラフルなホイールベースのシステムを採用しており、支払い額や予定の利子手数料の計算ができるので(しかも、年会費や延滞手数料がない)、Apple Cardは金銭的リテラシーを養うのに理想的だ。ホイールを回せば、分割払いする月額を変更することができる。支払い額を最小にすると、赤で表示され、利子手数料が最高額になっていることを示す。ホイールを時計回りに回して支払い額を増やすと、利子手数料の金額が減って色も黄色になる。
利子手数料を抑えたければ、色が緑になるところ、つまり1カ月分の残高全額を支払うところまでホイールを回せばいい。残額をすべて支払うと、色が青になって小さい星が付く。
アプリの画面には、最小手数料と飲食代など、支払いの実際の内容も表示される。週のアクティビティを見ると、どの日に何を買ったか分かり、1週間で獲得したキャッシュバック額も分かる。買い物の内容も色で分類され、出費内容に基づいて仮想カードの色が変わっていく。
その名のとおり、「Daily Cash」は毎日たまっていく。これも、仮想のDaily Cashデビットカードとして、別途Walletアプリ上に存在する。この「カード」にたまった金額は、各種料金の支払い、Apple Payでの買い物、「iMessage」経由での友人への送金などに使える。自分の銀行口座に振り込むことも可能だ。
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