同氏は、「(Gateway to Spaceが運用開始の用意が整ったことを宣言した)このマイルストーンは、われわれが物事を予定通りに進める上で重要なことだ」と答えた。
「予定通りに進む」ということは、Virgin Galacticの創設者であるBranson氏とほかの最初の乗客たちが、数年ではなく数カ月以内に軌道に打ち上げられることを意味する。
5月の記者会見で、Whitesides氏は、1年以内に商用機の打ち上げが始まると述べていた。筆者が訪ねた8月15日にも、同氏はその予定に自信を持っていると話してくれた。
つい最近まで、静かなSpaceportはニューメキシコ州を越えて笑いものにされていた。Gateway to Spaceの建物が、砂漠に捨てられた宇宙船のような外観だったことも一役買っていた。
この15年間、Spaceport Americaは夢から現実へ、それから、悪夢へと変遷していった。2011年の完成からの数年間は、ニューメキシコ州の砂漠で、ほぼ空っぽな状態のまま放置されていた。
多くの宇宙ベンチャーと同様、Spaceport America(公的資金が使われている国営施設)とVirgin Galacticもコスト超過や技術的問題、計画の遅れに苦しんできた。最悪の瞬間は、2014年にVirgin Galacticのロケット推進型スペースプレーンの1機がカリフォルニア州の砂漠でのテスト中に墜落して、副操縦士の1人が死亡したときだった。
だが、この数カ月の間に、見通しは変わった。Virgin Galacticは、悲劇的な事故から完全に立ち直り、事業をモハーヴェ砂漠からニューメキシコ州に移し始めたのだ。
Virgin Galacticの商用ディレクターを務めるStephen Attenborough氏は、「すべてが現実になりつつある」と述べている。
近いうちに、VMS Eveがカリフォルニア州まで戻り、「VSS Unity」(商用機の宇宙飛行士が実際に乗り込む宇宙船)を受け取って、今後の恒久的な拠点となるSpaceportまで輸送する予定だとも同氏は語った。Attenborough氏は、今から10年以内に、Spaceportが2機の母機と5機の宇宙船の拠点になることを思い描いている。
格納庫の一角には、8基のロケットモーターが収納された大きな木箱が置かれており、同社は将来的にこれらのモーターを使いたいと考えている。Virgin Galacticは15年前から予約を受け付けており、その予約をすべて処理するには、多くのロケットモーターの力が必要になる。60カ国以上の600人を超える乗客が同社の宇宙旅行の頭金をすでに支払っている。旅行代金は1座席25万ドル(約2660万円)だ。
Virgin Galacticの商用機の乗客は、軌道までの約90分間の飛行の準備として、Spaceportで数日の訓練を受ける。その後、出発当日に、家族や友人、パイロット、サポートスタッフと共にここBarista Islandのまわりに集まり、Gaiaラウンジで、筆者がSpaceportのCEOのDan Hicks氏と一緒に食べているようなグルメ料理を楽しむ。
Hicks氏は生涯にわたる公務員であり、隣接するホワイトサンズミサイル実験場で米陸軍と共に30年間にわたってさまざまな指導的役割を務めた後、2016年、New Mexico Spaceport Authorityによって現在のポストに任命された。
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