この恩恵を受けているのは、消費者だけではない。企業も、より新しく柔軟なサブスクリプションビジネスモデルで、変化する顧客の要求に応えることによって、飛躍的な成長を遂げている。Zuoraの「サブスクリプションエコノミーインデックス」によると、過去7年間で、北米、欧州、およびアジア太平洋地域のサブスクリプション企業の売上高は300%以上増加し、年平均成長率(CAGR)は18%を記録したという。これは、S&P 500企業の売上高および米国の小売売上高成長の約5倍の早さで、DAX(ドイツ株価指数)およびASX(オーストラリア株価指数)の10倍の売上高成長率である。
それでは、所有の概念の終わりとユーザーシップの台頭が、いくつかの業界でどのように進んでいるのかを詳しく見ていこう。
では、何がこうした変化の数々を引き起こしているのだろうか。消費者心理についての洞察で知られるThe Harris Pollは先頃、(Zuoraに代わって)世界12カ国で1万3000人以上の成人を対象に調査を実施し、サブスクリプションエコノミーの成長をけん引するいくつかの興味深いトレンドを発見した。
世界中の10人に6人近くが、所有するモノを減らしたいと回答しているのは、意外なことではない。テクノロジーの進歩、顧客が求めるものの変化、有効な定額制ビジネスモデルの出現により、モノを所有する動機は以前に比べてどんどん弱まっている。サブスクリプションサービスが利用できる場合、人々は所有する必要性をますます問うようになった。輸送とメディアは、このトレンドによって決定的に変化した業界の典型的な例だ。
ひと世代前、「成功」とは、物質主義と、隣人たちに負けないように張り合うことを意味した。しかし、それはもう過去のことだ。その代わりに、現在、私たちのソーシャルメディアフィードは、運動や食事、休暇など、人々が何かをしている写真であふれている。「体験」が新たなステータスシンボルになった。
そして、ステータスや個人の自己実現の概念が、物質的な豊かさから離れ、魅力的な体験に移行する中で、世界中の消費者は、より多くの価値、よりよい体験を提供し、煩わしさや手間を軽減する、柔軟なサービスをますます要求するようになっている。
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