Jammyの見た目を一言で伝えるのなら、「Steinberger(スタインバーガー)」などのヘッドレスギターみたいな形、という表現がぴったり。ボディ部とネック部の弦はつながっておらず、使わないときは分解してコンパクトにできる。ネックとボディだけあれば使えるので、旅行の際はボディ上下のサポート用フレームを外し、さらにコンパクトにする手もある。
スケールは一般的なギターと変わらず、指で押さえた弦(に相当するボディ側の弦)を弾いて音を鳴らす自然な動きで演奏できる。音はイヤホンで直接聴けるし、ギター用のシールドケーブルでつないたギターアンプも鳴らせる。
ボディ側の弦を弾いても振動が左手に伝わらないのは不思議だが、違和感というほどでもない。フレット数は15と短いものの、Jammy Instrumentsは「ヒットしたロックの70%が演奏可能」としている。
弦のタイプは、1弦から3弦がプレーン弦、4弦から6弦がワウンド弦。弦の太さは、.009から.042のセットといった感触で、エレキギターを押さえる感じに近い。レビューしたJammyのテンションは緩めだったが、ある程度は調整可能だ。
太さや手触りなどに対するこだわりから、好みの弦をJammyに張りたいと思う人はいるだろう。残念ながら、Jammyには普通の弦を取り付けられない。弦が切れたときに備え、交換用の専用弦は用意されているという。
それでは音を出してみよう。USB充電が済めば、あとは電源を入れ、イヤホンかギターアンプを接続するだけですぐにプレイできる。チューニングをする必要もない。ただし、電源投入直後はコントローラーが弦のニュートラルな状態を取得しているため、電源ボタンを押したらLEDの色が白く変わるキャリブレーション終了まで弦に触れず待とう。
音量は、ボディのダイヤルで調整できる。そのほかの設定は、Bluetooth連携させたスマートフォンの専用アプリで実行する。
アプリでは、音質をエレキギターとアコースティックギターのどちらかが選べるほか、カポタストと変則チューニングの設定も可能。本物のギターだとカポの付け外しでチューニングがずれてしまうものだが、Jammyならその心配はない。
さらに、アプリ内でさまざまなエフェクターを接続し、音色を歪ませたりコーラスやリバーブで広げたりして変えられる。各エフェクターのパラメーターも細かくいじれる。気に入った設定が作れたら、プリセット登録しておくとよい。ボディのダイヤルがプッシュボタンを兼ねていて、押すたびにプリセットが切り替わるので、演奏中に素早く音色を変えていける。
アプリのメトロノーム機能を使うと、演奏の精度を高める練習ができる。筆者のような内弁慶ギタリストには、自宅の1人セッションでインプロビゼーションが楽しめるリズムマシン機能がありがたい。プレイするスケールのポジションもアプリで確かめられる。
Jammyは、MIDIコントローラーとしても機能する。USB経由でPCに接続すれば、音楽制作ソフトウェア(DAW)の制御に使える。6本ある各弦が別のMIDIチャンネルに割り当てられており、たとえば5弦と6弦は音程を1オクターブ下げたベース音、1弦から4弦はピアノ音といった設定もできる。
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