米航空宇宙局(NASA)は、地球上での測位に使うGPSを月面や月周回軌道上の測位にも利用しようとして、新たなGPS受信機の開発を進めている。
GPSは、Global Positioning System(全地球測位システム)の略で、文字通り地球上での位置を特定するための技術だ。約30機あるGPS用人工衛星のうち4機以上から届く電波をGPS受信機でとらえ、その情報にもとづいて測位する。GPS衛星よりも高い軌道を飛ぶ宇宙船でGPSの活用を試みてきたNASAは、はるかに離れた月の周囲でもGPS測位が可能と考えた。
NASAは、既存のGPSインフラを使って月周辺での測位を実現させようとしている。具体的には、GPS衛星の弱い電波を補足可能な高利得アンテナや、これまでに開発してきた宇宙空間用の測位システム「NavCube」を組み合わせ、月用GPS受信機を開発中だ。
この受信機は、24機から32機のGPS衛星が発する位置情報電波をとらえて測位する仕組み。開発チームは2019年初めにシミュレーションを実施し、測位可能なことを確認したという。
2019年の終わりまでには試作ハードウェアを完成させ、国際宇宙ステーション(ISS)で試験したい考え。
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