LINEは6月27日、年に一度の大規模カンファレンス「LINE CONFERENCE 2019」において、同社が持つAI技術を外部に提供する新規事業「LINE BRAIN」を発表した。
LINE 取締役CSMOの舛田淳氏は、「1000人規模でAI開発体制を作り、AIカンパニーとなるための体制を整えてきた」とこれまでの経緯を説明。「これからはAIサービスカンパニーからAIソリューションカンパニーへと変革し、社内のみで活用してきたAI技術を外部企業に開放していきたい」と語った。
そのために同社が開始するのが、LINE BRAINだ。スマートスピーカー「Clova」シリーズで培ってきた音声認識技術のほか、動画解析技術や画像認識技術を活用し、BtoB事業として外部との連携を目指す。
LINE BRAINで提供するのは3点。高い回答正答率を誇るFAQ型チャットボット「LINE BRAIN CHATBOT」、フォーマットの異なる文書も認識できる文字認識技術「LINE BRAIN OCR」、電話の会話をほぼリアルタイムで文字起こしできる音声認識技術「LINE BRAIN SPEECH TO TEXT」だ。これら3点は2019年7月より順次販売を開始する。
また、これら技術の集合体として、人となめらかな会話が可能な音声AIプラットフォーム「DUET」も、今後研究開発を進める。
LINEは、これらAI技術の開発を進めるにあたって、共同で取り組むパートナーを発表した。音声認識技術については、コミュニケーションツールを提供するDialpadと、画像認識技術についてはスカパーJSAT、伊藤忠商事と、それぞれ提携する。
スカパー、伊藤忠との提携では、AIアシスタント技術を活用した次世代型テレビの開発を推進。映像コンテンツと生活情報サービスを連携させ、画面に映っている製品の詳細や料理のレシピなどを調べることができるテレビの商用化を目指す。
このほか、LINEは韓国のNAVER Corporationと共同で、AI関連技術を活用した課題に取り組み、その成果を競う開発プログラム「AI RUSH 2019」を7月に開催。LINEのAI技術を活用し、1~3人の個人あるいはチームで課題の解決に取り組むという。参加申込は、7月22日までとなっている。
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